第105回 看護師国家試験 午前 問57 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 常位胎盤早期剝離のリスク因子として代表的なのは妊娠高血圧症候群である。

常位胎盤早期剝離は、正しい位置についている胎盤が、児が生まれる前にはがれてしまう状態である。はがれた面から出血し、母体はショックや播種性血管内凝固症候群に、児は低酸素から死に至ることもある。

最大のリスク因子は妊娠高血圧症候群である。血管が傷んで胎盤の付着面がはがれやすくなるためで、ほかに腹部の外傷、喫煙、常位胎盤早期剝離の既往が挙げられる。

典型的な症状は、突然おこって続く下腹部痛と、板のように硬くなる子宮(板状硬)である。外に出る出血が少量にとどまることもあるので、痛みと子宮の硬さで疑う。

播種性血管内凝固症候群とは

全身の細い血管で血液が固まり続け、その結果として血を固める成分が尽きて、今度は出血が止まらなくなる状態。

  • 1

    肥満不正解

    肥満は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を招きやすい要因だが、常位胎盤早期剝離そのものの主なリスク因子には数えられていない。

  • 2

    妊娠糖尿病不正解

    妊娠糖尿病で問題になるのは巨大児、新生児低血糖、母の将来の2型糖尿病であり、胎盤がはがれる原因にはならない。

  • 3

    帝王切開術の既往不正解

    帝王切開の既往で高まるのは、子宮破裂と、次の妊娠での前置胎盤・癒着胎盤の危険である。

  • 4

    妊娠高血圧症候群正解

    妊娠高血圧症候群では血管が傷んで胎盤の付着面がはがれやすくなり、常位胎盤早期剝離の最大のリスク因子になる。

📚 混同しやすいので注意

妊娠後期の出血は、常位胎盤早期剝離と前置胎盤を入れ替えて問われる。「痛みがあるか」「子宮が硬いか」で見分けよう。

妊娠後期の出血の見分け方
常位胎盤早期剝離前置胎盤
腹痛突然おこって続く痛みがある痛みを伴わない
子宮の硬さ板のように硬いやわらかい
出血外に出る量が少なく、重症度と合わないことがある痛みのない出血を繰り返す
主なリスク因子妊娠高血圧症候群、腹部の外傷、喫煙帝王切開の既往、多産、高年妊娠

参考: 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 産科編」/系統看護学講座 母性看護学

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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