第105回 看護師国家試験 午前 問48 解説
📝 問題
過活動膀胱の説明で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 過活動膀胱の中心となる症状は、急に起こって我慢しにくい尿意切迫感である。
過活動膀胱は、膀胱に尿がたまりきる前に排尿筋が勝手に収縮してしまう状態で、尿意切迫感がなければ診断されない。 これに昼間の頻尿と夜間頻尿が加わり、間に合わずに漏れる切迫性尿失禁を伴うこともある。
治療はまず膀胱訓練と骨盤底筋訓練で、我慢できる時間を少しずつ延ばしていく。効果が足りないときに抗コリン薬やβ3受容体作動薬を使う。
有病率は年齢とともに上がり、80歳以上で最も高くなる。加齢のほか、脳血管障害やパーキンソン病など排尿の指令を出す神経の病気でも起こる。
膀胱訓練とは
尿意を感じてもすぐにトイレへ行かず、我慢できる時間を少しずつ延ばしていく訓練。過活動膀胱の治療の出発点になる。
- 1
尿意切迫感がある。正解
急に起こって我慢しにくい強い尿意で、過活動膀胱の診断に欠かせない症状である。
- 2
失禁することはない。不正解
間に合わずに漏れる切迫性尿失禁を伴うことは多い。ただし失禁がなくても、尿意切迫感と頻尿があれば過活動膀胱と診断される。
- 3
水分を制限して治療する。不正解
逆。水分を減らすと尿が濃くなって膀胱への刺激がかえって強まり、脱水や尿路感染も招く。飲水量は保ったまま、カフェインやアルコールを控える。
- 4
50歳台の有病率が最も高い。不正解
有病率は年齢とともに上がっていく病気で、最も高いのは80歳以上である。
📚 混同しやすいので注意
尿失禁は、種類ごとに「どんなときに漏れるか」と対処法を入れ替えて問われる。漏れる場面を手がかりに分けよう。
| 種類 | 漏れる場面 | 主な対処 |
|---|---|---|
| 切迫性尿失禁 | 急な強い尿意を我慢できずに漏れる | 膀胱訓練、抗コリン薬やβ3受容体作動薬 |
| 腹圧性尿失禁 | 咳・くしゃみ・重い物を持つなど腹圧がかかったとき | 骨盤底筋訓練、体重の管理 |
| 溢流性尿失禁 | 尿を出しきれずにたまり、あふれて少しずつ漏れる | 排尿障害の原因治療、間欠導尿 |
| 機能性尿失禁 | 排尿の機能は保たれるが、動作や判断が間に合わない | トイレ環境の整備、排尿の誘導 |
参考: 日本排尿機能学会「過活動膀胱診療ガイドライン」/系統看護学講座 成人看護学(腎・泌尿器)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について