第105回 看護師国家試験 午前 問45 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

冠動脈バイパス術〈CABG〉後5時間が経過したとき、心囊ドレーンからの排液が減少し、血圧低下と脈圧の狭小化とがあり、「息苦しい」と患者が訴えた。最も考えられるのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 心囊ドレーンの排液が減り、血圧低下と脈圧の狭小化がみられるときは、心タンポナーデを最も疑う。

心臓を包む心囊に血液がたまると、心臓がふくらめなくなって血液を送り出せなくなる。これが心タンポナーデである。 冠動脈バイパス術のあとは心囊ドレーンで血液を抜いているため、排液の減少は「出血が止まった」だけでなく「血の塊で管が詰まり、心囊にたまっている」ことも意味する。

たまるにつれて血圧が下がり、脈圧が狭くなる。心臓が送り出せる量が減るので、息苦しさも訴える。 血圧低下・頸静脈怒張・心音の減弱をあわせてBeck(ベック)の三徴という。

他の3つは、この組合せを説明できない。 肺梗塞では息苦しさが出るが、心囊ドレーンの排液は減らない。 不整脈は脈の乱れ、心筋虚血は胸の痛みと心電図の変化が中心になる。

脈圧とは

収縮期血圧と拡張期血圧の差。心臓が1回に送り出す血液が減ると小さくなる。

  • 1

    肺梗塞不正解

    肺梗塞は肺の血管が血の塊で詰まる状態で、突然の息苦しさと胸痛が起こる。心囊ドレーンの排液が減ることとは結びつかない。

  • 2

    不整脈不正解

    不整脈では脈の乱れや動悸が起こり、心電図モニターの波形の変化として先に現れる。

  • 3

    心筋虚血不正解

    心筋虚血は冠動脈の血流が足りなくなる状態で、胸の痛みや心電図のST変化が中心になる。

  • 4

    心タンポナーデ正解

    心囊にたまった血液が心臓を圧迫し、送り出せる量が減って血圧低下と脈圧の狭小化が起こる。排液が急に減ったことは、管が詰まって心囊に血液がたまったしるしである。

📚 国試でよく狙われるところ

心囊ドレーンは「排液が急に減った=よくなった」と読み違えないことが問われる。量の変化と全身の状態をセットでみる、と覚えよう。

  • 排液の量・色・性状を時間ごとに記録し、急な増加も急な減少も医師に報告する
  • ドレーンに屈曲や圧迫がないかを確かめ、詰まりを防ぐ
  • 抜去後も心囊に液がたまることがあるため、血圧・脈圧・息苦しさの訴えを続けて観察する

参考: 系統看護学講座 成人看護学 循環器/系統看護学講座 成人看護学 周手術期看護

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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