第104回 看護師国家試験 午後 問57 解説
📝 問題
日本の平成24年(2012年)の養護者による高齢者虐待の種類で最も多いのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 養護者による高齢者虐待で最も多いのは身体的虐待である。
高齢者虐待防止法は、虐待を身体的虐待・心理的虐待・介護等放棄・性的虐待・経済的虐待の5つに分けている。 このうち身体的虐待が最も多い。出題時の平成24年度(2012年度)は65.0%、令和6年度(2024年度)は64.1%で、最も多いことは変わっていない。 令和6年度は次いで心理的虐待37.2%、介護等放棄19.7%、経済的虐待16.4%、性的虐待0.4%と続く(複数回答)。
他の3つは、いずれも順位が下になる。
養護者とは
高齢者を現に世話している家族・親族・同居人などをさす。介護施設の職員は含まず、そちらは養介護施設従事者等として分けて数える。
- 1
身体的虐待正解
殴る・つねる・やけどを負わせるといった暴力のほか、ベッドに縛るなどの身体拘束も含まれる。件数がいちばん多い。
- 2
心理的虐待不正解
心理的虐待は、どなる・侮辱する・無視するなど、言葉や態度で苦痛を与えるもの。件数は身体的虐待に次いで多い。
- 3
介護等放棄不正解
介護等放棄は、食事や入浴の世話をしない、必要な受診をさせないなど、必要な世話を怠るもの。ネグレクトともいう。
- 4
性的虐待不正解
性的虐待は、わいせつな行為をする・させるもの。5つのうち件数は最も少ない。
📚 国試でよく狙われるところ
高齢者虐待は、虐待の種類の1位と虐待している人の1位を入れ替えて問われる。「受けているのは身体的虐待、しているのは息子」と対で覚えよう。
- 養護者のうち虐待をしている人は息子が最も多く(38.9%)、次いで夫、娘の順
- 虐待を受けた高齢者は女性が76.0%を占め、認知症のある人が多い
- 発生の要因では、被虐待者の認知症の症状と、虐待者の介護疲れ・介護ストレスが上位を占める
- 虐待に気づいた人は市町村へ通報する。生命や身体に重大な危険があるときは通報が義務、それ以外は努力義務
参考: 厚生労働省「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(令和6年度)/高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について