第104回 看護師国家試験 午後 問51 解説
📝 問題
Aさん(50歳、男性)は、上腹部痛が突然出現したため、冷や汗をかき腹部を押さえながら家族と来院した。Aさんは十二指腸潰瘍の既往がある。 このときに観察する徴候として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 腹膜炎を疑い、押した手を急に離すと痛みが強まるBlumberg(ブルンベルグ)徴候を観察する。
十二指腸潰瘍の既往がある人に、突然の上腹部痛と冷や汗が起きている。まず疑うのは潰瘍の穿孔で、消化液が腹腔にもれて腹膜炎を起こした状態である。 腹膜に炎症が及ぶと腹膜刺激症状が現れる。その代表がBlumberg(ブルンベルグ)徴候=反跳痛で、腹壁をゆっくり押し込んでから急に手を離すと、離した瞬間に痛みが強くなる。 腹壁が板のように硬くなる筋性防御もあわせて確認する。
他の3つは、腹膜炎とは別の場面で使う所見である。
穿孔とは
潰瘍が深くなって胃や腸の壁に穴があくこと。中身が腹腔にもれ出し、腹膜炎を起こす。
- 1
Romberg〈ロンベルグ〉徴候不正解
Romberg(ロンベルグ)徴候は、閉眼して立つとふらつきが強くなる所見。深部感覚障害や前庭障害を疑うときにみる。
- 2
Blumberg〈ブルンベルグ〉徴候正解
押し込んだ手を急に離したときに痛みが強まる反跳痛のこと。腹膜まで炎症が及んでいることを示す。
- 3
Courvoisier〈クールボアジェ〉徴候不正解
Courvoisier(クールボアジェ)徴候は、痛みを伴わずに腫れた胆囊が触れる所見。膵頭部癌など下部胆管が詰まる病気を疑う。
- 4
Trendelenburg〈トレンデレンブルグ〉徴候不正解
Trendelenburg(トレンデレンブルグ)徴候は、片脚で立つと反対側の骨盤が下がる所見。中殿筋の筋力低下でみられる。
📚 混同しやすいので注意
人名のついた徴候は、名前と疑う病気を入れ替えて問われる。名前・やり方・疑う病気の3つを1組で覚えよう。
| 徴候 | どうやってみるか | 疑うもの |
|---|---|---|
| Blumberg(ブルンベルグ)徴候 | 押し込んだ手を急に離すと痛みが強まる | 腹膜炎 |
| Murphy(マーフィー)徴候 | 右季肋部を押さえたまま息を吸わせると痛みで息が止まる | 急性胆囊炎 |
| McBurney(マックバーニー)点の圧痛 | 右下腹部の決まった一点を押すと痛む | 急性虫垂炎 |
参考: 標準的な成人看護学(急性腹症・腹膜刺激症状)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について