第104回 看護師国家試験 午後 問119 解説
📝 問題
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。Aさん(37歳、女性)は、アジアの出身で1か月前に日本人の夫(40歳)と娘(12歳)とともに日本に移住した。母国語以外に簡単な言葉であれば日本語と英語は理解できる。Aさんは、胸のしこりに気付き1週前に受診し、検査の結果、乳癌と診断された。今後の治療について説明を受けるため外来を受診する予定である。夫から「仕事が忙しく説明に立ち会えない。妻は日本語が上手く話せないがどうしたらいいですか」と電話があった。 術前に、術後のAさんの苦痛の程度を確認する方法について説明をすることになった。 苦痛の程度を確認する方法として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 母国語と日本語の対応表を準備するのが最も適切である。
術後の痛みは、そのときに本人が伝えられなければ手当てできない。麻酔から覚めたばかりで体力も落ちている時期に、慣れない言葉で説明するのは難しい。
そこで、痛みの強さ・部位・症状の言い方を母国語と日本語で並べた対応表を、術前のうちに用意して一緒に確認しておく。指をさすだけで伝えられるので、痛みが強いときでも使える。
残る3つは、術後の苦痛を伝える方法にならない。 手術までの短い時間で日本語を覚えてもらうのは負担が大きく、痛みが強いときに思い出せない。 ナースコールは看護師を呼ぶ手段で、呼んだあとに程度を伝える方法が別に要る。 まばたきで合図する方法は話せない人に用いるもので、Aさんは話すことができる。
- 1
日本語を覚えてもらう。不正解
手術までの短い時間で痛みを表す日本語を覚えるのは負担が大きい。術後の状態では思い出すことも難しい。
- 2
母国語と日本語の対応表を準備する。正解
痛みの強さや部位の言い方を母国語と日本語で並べておけば、指をさすだけで伝えられる。術前に一緒に確認しておくと、術後すぐから使える。
- 3
ナースコールの利用方法を説明する。不正解
ナースコールは看護師を呼ぶための手段である。呼んだあとに苦痛の程度をどう伝えるかは、別に用意しておく必要がある。
- 4
まばたきをしてもらうことを説明する。不正解
まばたきでの合図は、人工呼吸器の装着中など話せない人に用いる方法。Aさんは話せるので、はい・いいえより詳しく伝えられる方法を選ぶ。
📚 ここも一緒におさえておこう
言葉が通じにくい人の痛みは、測る道具と受け取り方の両方が問われる。数字・絵の尺度と、文化による表し方の違いを一組で覚えよう。
- 痛みの強さは0から10の数字で答える数値評価スケール(NRS〈エヌアールエス〉)で測れる。数字なら言葉が違っても通じる
- 表情の絵から選ぶフェイススケールは、子どもや言葉が通じにくい人にも使いやすい
- 痛みの表し方は文化によって違い、我慢を美徳とする背景では訴えが出にくいことがある
参考: 厚生労働省 外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル/系統看護学講座 基礎看護学
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について