第104回 看護師国家試験 午後 問112 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。A君(8歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが10秒程度続き、A君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。 A君の意識は徐々に回復したが、健忘が認められる。頭部CT検査で頭部外傷は認められなかった。A君は、てんかんの疑いで入院した。 A君に対する検査で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ てんかんの診断に向けて、脳波検査の優先度が最も高い。
A君の発作は、全身が硬く突っぱる時期のあとに手足の曲げ伸ばしを繰り返す時期へ移り、意識も失われている。強直間代発作の経過そのものである。発作のあとに健忘が残るのも、この発作でよくみられる。
てんかんは、脳の神経細胞が過剰に電気を出すことで起こる。その電気の乱れを直接とらえられるのが脳波検査で、診断だけでなく発作の型を決め、薬を選ぶ手がかりにもなる。頭部CTで外傷や出血がないことは確認済みで、次に行うのはこの検査である。
残る3つは、いま行う検査ではない。 知能検査は発達や学習の状態を知るためのもので、てんかんの診断はできない。 人格検査は性格の傾向をみるもので、発作の原因を調べる検査ではない。 脳脊髄液検査は髄膜炎や脳炎を疑うときに行うもので、A君には発熱など感染を示す所見がない。
強直間代発作とは
全身が硬く突っぱる時期から、手足がガクガクと曲げ伸ばしを繰り返す時期へ移る発作。意識は失われる。
- 1
脳波検査正解
てんかんは脳の神経細胞が過剰に電気を出して起こるため、その乱れを記録する脳波検査が診断の中心になる。発作の型を判断し、薬を選ぶ材料にもなる。
- 2
知能検査不正解
知能検査は発達や学習の状態を把握するために行う。てんかんの診断そのものには結びつかない。
- 3
人格検査不正解
人格検査は性格の傾向を知る検査で、発作の原因を調べるものではない。
- 4
脳脊髄液検査不正解
脳脊髄液検査は髄膜炎や脳炎など、中枢神経の感染や炎症を疑うときに行う。A君は発熱がなく、体への負担も大きい検査である。
📚 ここも一緒におさえておこう
てんかんは発作の型を入れ替えて問われる。まず「脳のどこから始まるか」で分け、焦点起始だけを意識の有無で分けよう。
- 全般起始発作=はじめから両側の脳が興奮する。強直間代発作・欠神発作・ミオクロニー発作があり、多くは意識が障害される
- 焦点起始発作=脳の一部から始まる。意識が保たれるものと薄れるものがあり、以前は部分発作とよばれた
- 欠神発作=数秒から十数秒、動作が止まってぼんやりする。学童期に多く、集中していないだけと見過ごされやすい
参考: 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン/系統看護学講座 小児看護学
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について