第104回 看護師国家試験 午前 問71 解説
📝 問題
Aさん(52歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。妻は末期の肺癌で、今朝自宅で亡くなった。主治医が死亡診断を行った後のAさんへの訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 死亡診断の後は、Aさんの希望を聞きながら死後の処置を行う。
在宅での看取りでは、主治医の死亡診断が済んだあと、訪問看護師が家族とともに死後の処置(エンゼルケア)を行う。 体を清拭して身なりを整える時間は、家族が死を受け止め、最後に手を添えるためのグリーフケアの場でもある。 参加するかどうか、どこまで一緒に行うかはAさんが決めることなので、希望を聞きながら進める。
他の選択肢は、遺族の気持ちより手続きを先に置いている。死亡届の提出は7日以内でよく、葬儀や医療機器の片づけは気持ちが落ち着いてから進めればよい。
エンゼルケアとは
亡くなった人の体を清め、身なりや顔だちを整えるケア。医療機器を外し、その人らしい姿で見送れるようにする。
- 1
葬儀を手配するよう勧める。不正解
葬儀の手配は遺族が自分の速さで決めることで、看護師が勧めて急がせる場面ではない。相談されたときに情報を伝える。
- 2
医療機器は早急に片づけるよう勧める。不正解
医療機器の引き上げは業者への連絡が要るが、亡くなった直後に急いで片づけると、遺族が気持ちを整える時間を奪うことになる。
- 3
Aさんの希望に沿って、死後の処置を行う。正解
清拭や身なりを整える時間は家族が死を受け止める場でもあり、どこまで一緒に行うかはAさんの希望に沿って決める。
- 4
本日中に死亡診断書を役所に提出するよう説明する。不正解
死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ提出すればよく、当日中に急ぐ必要はない。
📚 ここも一緒におさえておこう
在宅での看取りは、亡くなった直後に何をするかの順序で問われる。手続きより先に遺族の時間があると覚えておこう。
- 死亡診断は医師が行う。看護師が呼吸や心拍の停止を確認しても、医師の診察と死亡診断書の交付が要る
- 死後の処置は家族の希望を聞きながら行い、宗教や地域の習わしがあればそれに合わせる
- 死亡診断書は死亡届と一体の用紙で、市区町村へ出すと火葬許可証が交付される
- 遺族へのグリーフケアは看取りの後も続く。訪問や手紙で気持ちを聞く機会をつくる
参考: 医学書院『系統看護学講座 地域・在宅看護論』/戸籍法
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について