第104回 看護師国家試験 午前 問110 解説
📝 問題
次の文を読み109〜111の問いに答えよ。Aさん(35歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。妊娠28週2日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。Aさんは、身長155cm、体重56kg(非妊時体重50kg)である。その後、Aさんの妊娠経過は順調で、妊娠37週0日の午後1時から帝王切開術が予定された。 手術前日の対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 全前置胎盤の帝王切開では大量出血に備え、手術前日に輸血の準備を確認する。
全前置胎盤では、胎盤が子宮の出口をふさいでいる。 帝王切開で子宮を切開するときに胎盤を傷つけやすく、大量出血が起こりうる。 手術の前日までに、血液型と交差適合試験の結果、輸血用の血液が用意できているかを確認しておく。
他の3つは、この時期に行う対応ではない。 下肢の間欠的空気圧迫装置は血栓を防ぐために手術の直前から術後にかけて使うもので、前日から着けるものではない。
- 1
浣腸を実施する。不正解
浣腸は腸を動かして子宮の収縮を誘い、出血の引き金になる。前置胎盤では行わない。
- 2
夕食を禁食とする。不正解
前日の夕食は通常どおりとってよい。絶食が始まるのは前日の夜からで、水などの清澄水は麻酔の2時間前まで飲めることが多い。前日に栄養と水分を保つほうが術後の回復によい。
- 3
輸血の準備を確認する。正解
胎盤を傷つけて大量に出血する危険があり、輸血用の血液と検査の結果が整っているかを前日のうちに確かめる。
- 4
下肢に間欠的空気圧迫装置を使用する。不正解
間欠的空気圧迫装置は下肢の血流を保って血栓を防ぐ器械で、手術の直前に装着して歩けるようになるまで続ける。前日から使うものではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
帝王切開は、術前に何を備え、術後に何を見るかがまとめて問われる。出血・血栓・感染の3つで束ねて覚えよう。
- 出血=前置胎盤では自己血貯血や輸血の準備をしておく。術後は子宮の硬さと悪露の量をみる
- 血栓=妊婦はもともと血液が固まりやすい。弾性ストッキングと間欠的空気圧迫装置、早めの歩行で防ぐ
- 感染=創部の発赤や熱感、発熱をみる。子宮の中の感染にも注意する
参考: 帝王切開術の周術期看護(母性看護学)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について