第104回 看護師国家試験 午前 問106 解説
📝 問題
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35〜60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。医師は更年期障害と診断した。診察後、Aさんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。 Aさんへの説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 更年期の症状は、卵巣の機能が低下してエストロゲンが減るために起こる。
Aさんは48歳で、月経周期が35〜60日と不規則になっている。 閉経が近づくと卵巣のはたらきが衰え、卵胞から出るエストロゲンが急に減る。 エストロゲンは自律神経の調節にも関わっているため、その減少がのぼせ・発汗・いらだちといった更年期の症状につながる。
他の3つはAさんの症状の原因にならない。 脳の視床下部と下垂体は、エストロゲンが減ったことを受け取って卵巣を働かせようとする。視床下部からの指令が増え、下垂体が卵胞刺激ホルモンをかえって多く出す。
- 1
「子宮が固くなったためです」不正解
エストロゲンが減ると子宮は硬くなるのではなく、小さく萎縮していく。この変化そのものが更年期の症状を起こすわけではない。
- 2
「卵管が狭くなったためです」不正解
卵管が狭くなるのは不妊や子宮外妊娠に関わる状態で、更年期の症状とは結びつかない。
- 3
「卵巣の機能が低下したためです」正解
卵巣の機能が低下してエストロゲンが減り、自律神経のはたらきが乱れて症状が現れる。
- 4
「視床下部の機能が低下したためです」不正解
逆。エストロゲンが減ると視床下部は性腺刺激ホルモン放出ホルモンを多く出し、下垂体は卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を増やす。はたらきは低下していない。
📚 国試でよく狙われるところ
更年期はホルモンの動く向きを入れ替えて問われる。卵巣から出るものは減り、脳から出るものは増える、と向きで覚えよう。
- 更年期は閉経の前後5年ずつ、合わせて約10年の時期をいう
- 閉経は月経が来ないまま12か月たった時点を指し、日本人では平均50歳ごろ
- 血液検査ではエストロゲンが下がり、卵胞刺激ホルモンが上がる。閉経が近いことの目安になる
参考: 女性のライフサイクルと更年期の変化(母性看護学)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について