第104回 看護師国家試験 午前 問102 解説

状況設定老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。その後、Aさんは誤嚥性肺炎の症状が軽快し、胃瘻を造設せずに退院する予定である。家族は自宅での介護を考えていたが、長男の妻が脳出血で入院したため、Aさんの退院先の再検討を行うことになった。 Aさんの退院先として最も適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 常時の介護が必要で自宅に戻れないAさんの退院先は、介護老人福祉施設が最も適切である。

長男の妻が入院し、自宅で介護する人がいなくなった。Aさんは要介護4で重度の認知機能の低下があり、常に介護が必要である。 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、常時の介護が必要で自宅では暮らせない人が生活する場で、期限を区切らずに入所できる。誤嚥性肺炎を繰り返すAさんの受け皿になる。 この施設への新規入所は原則要介護3以上に限られている。この決まりは2015年4月に始まり、要介護4のAさんは対象になる。

残る3つは条件が合わない。軽費老人ホームは身の回りのことがおおむねできる人の住まいである。回復期リハビリテーション病棟は対象となる病気と入棟の時期が決まっている。認知症対応型共同生活介護は少人数の共同生活が前提になる。

  • 1

    軽費老人ホーム不正解

    軽費老人ホームは、身の回りのことがおおむねできる人が食事などの支援を受けて暮らす住まい。常時の介護は想定していない。

  • 2

    介護老人福祉施設正解

    常時の介護が必要で自宅では暮らせない人が生活する施設。要介護4で重度の認知機能の低下があるAさんに合う。

  • 3

    回復期リハビリテーション病棟不正解

    回復期リハビリテーション病棟は、集中的なリハビリテーションで在宅復帰を目指す病棟で、対象となる状態と発症からの期間が決まっている。Aさんは肺炎が軽快しており、必要なのはリハビリテーションではなく常時の介護を受けて暮らす場である。

  • 4

    認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)不正解

    認知症対応型共同生活介護は、要支援2以上の認知症の人が少人数で家庭的に暮らす場。共同生活を営めることが前提で、常時介護が必要なAさんには向かない。

📚 混同しやすいので注意

介護保険の施設は、対象になる人と目的を入れ替えて問われる。「暮らす場か、家へ帰るための場か」で分けよう。

介護保険の施設と住まいの比較
名称対象目的
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)原則要介護3以上常時の介護が必要な人が生活する
介護老人保健施設要介護1以上リハビリテーションを受けて在宅復帰を目指す
介護医療院要介護1以上長期の医療と介護を一緒に受ける
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)要支援2以上の認知症の人少人数で家庭的に共同生活を送る

参考: 厚生労働省「介護保険制度の概要」/系統看護学講座 老年看護学

出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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