第103回 看護師国家試験 午後 問95 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み94〜96の問いに答えよ。Aさん(43歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、Aさんは、非Hodgkin〈ホジキン〉リンパ腫と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、Aさんは体温37.5℃、呼吸数18/分、脈拍84/分、血圧124/64mmHgであった。血液検査データは、赤血球302万/μL、Hb 10.3g/dL、白血球6,400/μL、総蛋白7.6g/dLであった。 入院後4日。Aさんは化学療法としてCHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を行うことになった。 開始前のAさんへの説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 口の中の粘膜は入れ替わりが速く、抗癌薬の投与から5日ころに口内炎ができやすい。

抗癌薬は分裂の速い細胞をまとめて傷つけるため、副作用の出る時期はおおよそ決まっている。口の中の粘膜は入れ替わりが速く、早い時期に傷む。 今回の治療でも投与から5日ころに口内炎が出やすいと伝え、うがいと歯みがきで口の中を清潔に保つ準備をしてもらう。

他の3つは、時期や根拠が合わない。 副作用の出方は年齢だけで決まらず、軽く済むと約束はできない。 加熱食を始めるのは、好中球が減る投与後7〜14日ころである。 脱毛が始まるのも2〜3週たってからになる。

加熱食とは

生ものを避け、火を通したものだけにした食事。好中球が減って感染しやすい時期に、食べ物からの感染を防ぐために出される。

  • 1

    「高齢の人より副作用は少ないでしょう」不正解

    副作用の強さは年齢だけでは決まらない。軽く済むと保証すると、実際に強く出たときの不安が大きくなる。

  • 2

    「明日から加熱食となります」不正解

    加熱食は好中球が減って感染しやすくなる時期に合わせて始める。投与の翌日ではない。

  • 3

    「3日目ころから脱毛が始まります」不正解

    脱毛が始まるのは投与から2〜3週たったころである。始まる前に、帽子やかつらの準備をすすめる。

  • 4

    「5日目ころから口内炎ができやすくなります」正解

    粘膜の細胞は入れ替わりが速いぶん、抗癌薬の影響が早く出る。投与後5日ころから口内炎が起こりやすく、前もって口腔ケアの方法を伝えておく。

📚 国試でよく狙われるところ

抗癌薬の副作用は、出る時期を入れ替えて問われる。日数と症状を対にして覚えよう。

  • 当日〜数日=悪心・嘔吐。起きてから抑えるより、投与前から制吐薬で防ぐ
  • 5日ころ〜=口内炎や下痢。入れ替わりの速い粘膜が傷むため
  • 7〜14日=骨髄抑制で好中球が最も減り、感染しやすくなる
  • 2〜3週=脱毛。治療が終われば生えてくると伝えておく

参考: 標準的な成人看護学(がん薬物療法の有害事象と発現時期)

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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