第103回 看護師国家試験 午前 問58 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

高齢者のうつ病の説明で正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 高齢者のうつ病は、若年者と比べて身体症状の訴えが多い。

高齢者のうつ病では、気分の落ち込みを自分から言葉にすることが少なく、代わりに体の不調として現れる。頭が痛い、体がだるい、食欲がない、便が出ない、めまいがする——検査をしても原因の見つからない訴えが続くときは、うつ病を疑う。 本人は体の病気だと思って内科を受診することが多い。

他の選択肢は、治療と見分け方の理解が逆になっている。電気けいれん療法は高齢者にも行われる。認知症との区別はむしろつきにくい。三環系抗うつ薬は副作用のため、高齢者では先に選ばない。

SSRI〈エスエスアールアイ〉とは

脳内のセロトニンを増やす抗うつ薬。副作用が比較的少なく、高齢者ではまずこの種類から使われる。

  • 1

    電気けいれん療法は行わない。不正解

    電気けいれん療法は高齢者にも行われる。薬が効かないときや、食事がとれないほど重いときの選択肢になる。

  • 2

    認知症との区別はつきやすい。不正解

    逆。もの忘れや意欲の低下が前に出るため、認知症との区別はつきにくい。うつ病によるものは治療で戻り、仮性認知症と呼ばれる。

  • 3

    三環系抗うつ薬を第一選択薬とする。不正解

    三環系抗うつ薬は抗コリン作用が強く、口渇・便秘・尿閉・せん妄が出やすい。高齢者では先に選ばず、副作用の少ないSSRIなどから始める。

  • 4

    若年者と比べて身体症状の訴えが多い。正解

    気分の落ち込みを訴えるより先に、痛み・だるさ・食欲不振といった体の症状が前面に出る。原因の見つからない不調が続くときはうつ病を疑う。

📚 混同しやすいので注意

高齢者のうつ病と認知症は、症状を並べて「どちらか」を問われる。始まり方と本人の訴え方で見分けよう。

高齢者のうつ病と認知症の違い
項目うつ病認知症
始まり方比較的はっきりしていて急いつからか分からず、ゆっくり
もの忘れの訴え自分から強く訴える自覚が乏しく、取りつくろう
答えられないとき「わかりません」と答える見当違いの答えや作り話をする
1日のなかの変化朝に悪く、夕方に軽くなる朝夕の差は目立たない
経過治療で改善するゆっくり進行する

参考: 系統看護学講座 老年看護学/系統看護学講座 精神看護学

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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