第103回 看護師国家試験 午前 問45 解説
📝 問題
創傷の治癒過程における増殖期の状態はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 増殖期には血管内皮細胞が新しい血管をつくる。
創傷は、炎症期・増殖期・表皮形成期・成熟期の順に治っていく。 増殖期は、傷のくぼみを埋める組織が作られる時期である。
血管内皮細胞が伸びて新しい毛細血管を作り、線維芽細胞がコラーゲンを産生する。 この2つが組み合わさった赤くやわらかい組織が肉芽組織で、傷を内側から埋めていく。
他の3つは、別の時期に起こることである。 細菌や壊死した組織が取り除かれるのは、受傷直後から続く炎症期である。 基底細胞が創面を覆い始めるのは、肉芽が傷を埋めたあとに進む上皮化である。 コラーゲンが並び直して丈夫になるのは、数か月かけて進む成熟期である。
肉芽組織とは
新しくできた毛細血管とコラーゲンからなる、赤くやわらかい組織。傷のくぼみを内側から埋める。
- 1
コラーゲンが成熟する。不正解
いったん作られたコラーゲンが並び直して瘢痕が丈夫になる変化で、数週間から数か月かけて進む成熟期にあたる。
- 2
基底細胞が創面を覆い始める。不正解
基底細胞が創の縁から中央へ広がって創面を覆う上皮化で、肉芽が傷を埋めたあとに進む。
- 3
血管内皮細胞が新しい血管を形成する。正解
血管内皮細胞が伸びて毛細血管を新しく作り、コラーゲンとともに肉芽組織を形づくる。
- 4
マクロファージによって創内の細菌が排除される。不正解
マクロファージが細菌や壊死した組織を取り除くのは、受傷直後から数日続く炎症期の働きである。
📚 ここも一緒におさえておこう
創傷の治癒は、遅らせる要因とセットで問われる。看護で手を出せるところから覚えよう。
- 低栄養、とくにたんぱく質と亜鉛の不足はコラーゲンを作れず、治癒を遅らせる
- 糖尿病や副腎皮質ステロイドの使用、喫煙は、血流と免疫の働きを落として治癒を遅らせる
- 創面は乾かさず湿潤環境に保つほうが、細胞が動きやすく治りが早い
参考: 系統看護学講座 基礎看護技術/日本褥瘡学会 褥瘡予防・管理ガイドライン
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について