第115回 看護師国家試験 午後 問88 解説
📝 問題
幼児期の形態的・生理的特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・4
💡 解説
✅ 幼児期には胸囲が頭囲を上回り、心拍数は乳児期より減少する。
幼児期(1歳〜就学前)の形態的・生理的特徴は、「乳児期からどう変わったか」で押さえると解きやすい。
体格では、出生時は頭囲>胸囲だが、生後1年ころに逆転し、以後は胸囲>頭囲となる。 頭でっかちの体型から、しだいに体幹が発育した体型へ移っていく。
生理機能では、心拍数・呼吸数も、体重あたりの必要水分量も、年齢とともに減少する。 どれも「多いのは乳児のほう」で、幼児期には乳児期より少なくなる。
大泉門が閉じるのも乳歯20本がそろうのも幼児期の前半で、3歳や5歳ではない。
- 1
胸囲は頭囲より大きい。正解
出生時は頭囲(約33cm)が胸囲(約32cm)よりわずかに大きいが、生後1年ころに両者はほぼ等しくなり(ともに約45cm)、それ以降は胸囲が頭囲を上回る。幼児期は「胸囲>頭囲」の時期である。
- 2
大泉門は3歳ころに閉鎖する。不正解
大泉門が閉鎖するのは1歳から1歳6か月ころである。3歳になっても閉鎖していない場合は、先天性甲状腺機能低下症や骨系統疾患、水頭症などを疑って精査する。なお小泉門はもっと早く、生後6週〜3か月ころに閉鎖する。
- 3
乳歯は5歳ころに生えそろう。不正解
乳歯は生後6〜8か月ころに下顎の中切歯から生え始め、2歳6か月〜3歳ころに20本が生えそろう。5歳ころにはむしろ生え変わりの準備が進み、6歳ころから永久歯(第一大臼歯や下顎中切歯)が生え始める。
- 4
1分間の心拍数は乳児期よりも減少する。正解
心拍数は年齢とともに減少する。新生児で120〜140回/分、乳児で約120回/分、幼児で約100回/分、学童で80〜90回/分、成人で60〜80回/分となる。呼吸数も同様に減少する。
- 5
体重あたりの必要水分量は乳児期よりも多い。不正解
体重あたりの必要水分量は年齢とともに減少するので、幼児は乳児より少ない。乳児は約150mL/kg/日、幼児は約100mL/kg/日、学童は約80mL/kg/日、成人は約50mL/kg/日が目安である。
📚 国試でよく狙われるところ
- 体重=出生時約3kg → 生後3〜4か月で2倍 → 1歳で3倍(約9kg) → 4歳で5倍(約15kg)
- 身長=出生時約50cm → 1歳で1.5倍(約75cm) → 4歳で2倍(約100cm)
- 泉門=小泉門は生後6週〜3か月、大泉門は1歳〜1歳6か月で閉鎖
- 歯=乳歯は生後6〜8か月に生え始め2歳6か月〜3歳で20本、永久歯は6歳ころから生え始め12〜13歳ころに28本
| 年齢 | 心拍数(回/分) | 呼吸数(回/分) | 収縮期血圧(mmHg) |
|---|---|---|---|
| 新生児 | 120〜140 | 40〜50 | 60〜80 |
| 乳児 | 120〜130 | 30〜40 | 80〜90 |
| 幼児 | 100〜110 | 20〜30 | 90〜100 |
| 学童 | 80〜90 | 18〜20 | 100〜110 |
| 成人 | 60〜80 | 16〜18 | 110〜130 |
参考: 厚生労働省「乳幼児身体発育調査」/系統看護学講座 小児看護学(小児の成長・発達)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について