第115回 看護師国家試験 午後 問40 解説
📝 問題
一次救命処置〈BLS〉で心停止と判断するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 死戦期呼吸は「正常な呼吸ではない」=心停止と判断する所見である。
一次救命処置〈BLS〉では、反応がなく、呼吸がないか死戦期呼吸がみられる場合に心停止と判断し、ただちに胸骨圧迫を開始する。死戦期呼吸(あえぎ呼吸)はしゃくり上げるような不規則で効果のない呼吸で、心停止直後の数分間にしばしばみられる。 これを「呼吸がある」と誤認して胸骨圧迫を控えることが救命率低下の大きな原因になるため、判断に迷ったら心停止として対応するのが原則である。
呼吸の確認は胸と腹の動きを見て10秒以内で行い、市民救助者では脈の確認を必須としない。
- 1
奇脈不正解
奇脈は吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下する所見で、心タンポナーデや重症喘息などでみられる。脈は触知されており心停止ではない。
- 2
昏睡不正解
昏睡は意識障害の最も重い状態だが、脳血管障害・低血糖・薬物中毒などでも生じる。反応がないことに加えて呼吸の有無を確認しなければ、心停止とは判断できない。
- 3
死戦期呼吸正解
死戦期呼吸はしゃくり上げるような不規則な呼吸で、有効な換気を伴わない。「正常な呼吸ではない」ため心停止と判断し、直ちに胸骨圧迫を開始する。
- 4
四肢のチアノーゼ不正解
四肢のチアノーゼは末梢循環不全や低酸素血症でも生じ、心拍出が保たれていても現れる。心停止の判断根拠にはならない。
📚 国試でよく狙われるところ
成人に対する市民用の一次救命処置〈BLS〉は、手順の順番を入れ替えて問われる。上から順に流れで覚えよう。
- 安全確認 → 反応の確認 → 大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼する
- 呼吸の確認で正常な呼吸がなければ、心停止と判断する
- 胸骨圧迫は胸骨の下半分を深さ約5cm(6cmを超えない)、100〜120回/分、圧迫解除は完全に
- 人工呼吸ができる場合は胸骨圧迫30回:人工呼吸2回
- AEDが到着したら電源を入れ、音声メッセージに従う。心肺蘇生の中断は最小限にする
参考: JRC蘇生ガイドライン(日本蘇生協議会)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について