第115回 看護師国家試験 午後 問25 解説
📝 問題
全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 全身性けいれん中は、まず気道確保を行う。
けいれん発作への対応も、救命の原則である気道(A)→呼吸(B)→循環(C)の順で考える。 全身性けいれんの最中は下顎が固く閉じ、頸部が過伸展または屈曲し、唾液や吐物も貯留するため、気道閉塞と低酸素に陥りやすい。 最優先は気道確保であり、顔を横に向ける・側臥位にする・襟元や衣類をゆるめるといった対応と酸素投与を行う。
周囲の危険物を除ける、静脈路を確保する、心電図モニターを装着するといった対応も必要だが、いずれも気道が確保されたうえでの話である。 なお発作中に口腔内へ指や器具を入れることは禁忌で、歯の破損・咬傷・窒息を招く。
- 1
気道確保正解
正しい。けいれん中は舌根沈下や分泌物の貯留で低酸素になりやすく、最優先で確保する。
- 2
周囲の環境整備不正解
外傷予防として重要で実際にはほぼ同時に行うが、生命維持の優先度では気道確保に次ぐ。ベッド柵の保護や周囲の危険物の除去を行う。
- 3
末梢静脈路の確保不正解
ジアゼパムなど抗けいれん薬の投与に必要だが、気道と呼吸を確保した後に行う。けいれん中は体動が激しく穿刺自体も困難である。
- 4
心電図モニターの装着不正解
全身状態の監視に有用だが、装着そのものが救命行為ではない。気道確保・酸素投与を優先する。
- 5
舌や口唇の咬傷の予防不正解
けいれん中に口腔内へ物を入れる行為は禁忌である。歯牙損傷・口腔内損傷・窒息を招くため、咬傷を防ごうとしてはならない。
📚 まず何をするか
けいれんでは、その場で何を優先するかと、あとで医師に伝える観察内容が問われる。 時間と年齢が判断の手がかりになるので、数字もあわせて覚えよう。
- 5分以上続く、または意識が戻らないうちに反復するけいれんはてんかん重積状態で、ただちに薬物治療が必要
- 発作が止まったら回復体位(側臥位)にして誤嚥を防ぎ、意識が戻るまでそばを離れない
- 小児の熱性けいれんは生後6か月〜5歳に多く、多くは数分以内に自然に止まる
| 項目 | 具体的にみること |
|---|---|
| 発症時刻と持続時間 | 何時何分に始まり、何分続いたか |
| けいれんの型と部位 | 全身性か部分性か、左右差、始まった部位 |
| 眼球・頭部の偏位 | どちらを向いていたか(焦点の推定に有用) |
| 意識・呼吸・皮膚色 | 呼びかけへの反応、チアノーゼ、SpO2 |
| 随伴症状 | 尿失禁、嘔吐、咬舌 |
| 発作後の状態 | 発作後もうろう状態、一過性の麻痺(Todd麻痺)の有無 |
参考: 日本神経学会「てんかん診療ガイドライン」/JRC蘇生ガイドライン
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について