第115回 看護師国家試験 午前 問14 解説
📝 問題
深部静脈血栓症〈DVT〉の危険因子はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 長期臥床は静脈血のうっ滞を招くDVTの代表的危険因子。
血栓は血流の停滞・血管内皮の傷害・凝固能の亢進の3つ(Virchow〈ウィルヒョウ〉の3徴)がそろうとできやすい。
長期臥床では、ふくらはぎの筋ポンプ(筋肉の収縮で静脈血を心臓へ送る働き)が止まり、下肢の静脈血が停滞する。これが深部静脈血栓症〈DVT(ディーブイティー)〉の代表的な危険因子である。
- 1
若年不正解
逆で、危険因子は高齢。加齢とともに血管内皮の傷害と凝固能の亢進が進む。
- 2
水分過多不正解
逆で、危険なのは脱水。血液が濃くなり固まりやすくなる。水分摂取はむしろ予防になる。
- 3
長期臥床正解
正しい。長期臥床は3徴のうち「血流の停滞」に直結する。
- 4
るいそう不正解
危険因子は肥満のほうで、るいそう(やせ)ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
血栓がはがれて肺動脈をふさぐと肺血栓塞栓症になり、致死的になりうる。 予防の方法と、下肢に出る所見がそのまま問われる。
- 予防は早期離床、足関節の底背屈運動、十分な水分、弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法、リスクに応じた抗凝固薬。
- 局所所見は片側性の下肢の腫脹・熱感・発赤・疼痛・表在静脈の怒張。左右の周径を測ると差がわかる。
- Homans(ホーマンズ)徴候=膝を伸ばして足関節を背屈させると腓腹部が痛む。参考所見で、感度は高くない。
| 要素 | 具体例 |
|---|---|
| 血流の停滞 | 長期臥床、長時間の座位、下肢ギプス固定、心不全、静脈瘤 |
| 血管内皮の傷害 | 手術、外傷、中心静脈カテーテル留置、喫煙 |
| 凝固能の亢進 | 脱水、悪性腫瘍、妊娠・産褥、経口避妊薬、先天性素因 |
参考: 日本循環器学会「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について