第114回 看護師国家試験 午後 問89 解説
📝 問題
子どもの成長・発達で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・4
💡 解説
✅ 臨界期は身体の部位ごとに異なり、新生児期は遺伝の影響が相対的に大きい。
まず言葉の区別から。成長は身長や体重が増える量的な増大、発達は機能が成熟していく質的な変化である。この2つを入れ替えた選択肢が繰り返し出題される。
運動の発達には決まった向きがあり、中枢から末梢へ、頭部から尾部へと進む。首がすわる→座る→つかまり立ち→手指の細かい動き、という順である。
臨界期(感受期)とは、ある器官や機能がつくられるうえで特に影響を受けやすく、この時期に障害を受けると回復しにくい期間をいう。臨界期は器官ごとに時期が違い、同じ原因でもいつ受けたかで起こる異常が変わる。
- 1
基本的な運動発達は末梢から中枢へ向かう。不正解
方向が逆である。基本的な運動発達は中枢から末梢へ、頭部から尾部へ進む。首がすわる→寝返り→座位→つかまり立ち→歩行という順序や、肩・肘の大きな動きから手指のつまみ動作へという順序がその例である。
- 2
発達の臨界期は身体の各部位によって異なる。正解
臨界期は器官ごとに異なる。中枢神経は妊娠初期から出生後まで長く影響を受けやすいのに対し、心臓・耳・口蓋はそれぞれ妊娠初期の限られた時期に最も影響を受ける。同じ催奇形因子でも、曝露した時期によって生じる異常が違うのはこのためである。
- 3
成長とは身体の機能が質的に変化することである。不正解
定義が入れ替わっている。機能が質的に変化するのは「発達」で、「成長」は身長・体重・臓器の大きさなど形が量的に増えることをいう。
- 4
新生児期の成長・発達は環境よりも遺伝の影響が大きい。正解
成長・発達は遺伝と環境の両方で決まるが、その比重は時期で変わる。新生児期はまだ環境からの働きかけの積み重ねが少なく、遺伝で決まる部分の影響が相対的に大きい。育つにつれて栄養・養育環境・教育などの影響が増していく。
- 5
乳幼児期の脳神経系の発達は学童期と比べゆるやかである。不正解
逆である。脳や脊髄などの神経系は乳幼児期に最も急速に発育し、4〜6歳で成人の80〜90%に達する。学童期と比べてゆるやかということはない。
📚 国試でよく狙われるところ
スキャモンの発育曲線は、器官によって育つ速さと時期が違うことを1枚で示したもので、繰り返し出題される。
- 発達の原則=一定の順序と方向性がある/連続的だが速さは一定でない/臨界期がある/個人差がある
- 運動発達の目安=首がすわる(3〜4か月)→寝返り(5〜6か月)→お座り(7〜8か月)→つかまり立ち(9〜10か月)→ひとり歩き(1歳〜1歳3か月)
| 型 | 含まれる器官 | 発育の特徴 |
|---|---|---|
| 神経系型 | 脳・脊髄・頭囲 | 乳幼児期に急速。4〜6歳で成人の80〜90% |
| リンパ系型 | 胸腺・扁桃・リンパ節 | 学童期に成人の約2倍まで増え、思春期以降に低下 |
| 一般型 | 身長・体重・呼吸器・消化器・筋・骨格 | 乳児期と思春期の2回、急速に伸びるS字型 |
| 生殖器型 | 精巣・卵巣・子宮 | 思春期に急激に発育 |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について