第114回 看護師国家試験 午前 問85 解説
📝 問題
肝細胞癌〈hepatocellular carcinoma〉で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・3
💡 解説
✅ 肝細胞癌は原発性肝癌のなかで最も頻度が高く、診断には**腹部超音波検査**が用いられる。
肝細胞癌は肝細胞から生じる癌で、原発性肝癌の約90%を占めていちばん多い。
多くはB型・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変を背景に発生する。 こうした人には、3〜6か月ごとの腹部超音波検査と腫瘍マーカーで定期的に調べる。
腹部超音波は体を傷つけずくり返しでき、最初に行う画像検査になる。
- 1
早期から黄疸が出現する。不正解
早期の肝細胞癌はほとんど症状がない。黄疸は進行してからの所見。危険の高い人を定期的に調べることが大切になる。
- 2
原発性肝癌〈primary liver cancer〉の中で最も頻度が高い。正解
正しい。原発性肝癌のおよそ90%が肝細胞癌。残りの多くは肝内胆管癌。
- 3
診断に腹部超音波検査が用いられる。正解
正しい。体を傷つけずくり返し行えるため、慢性肝炎・肝硬変の人の定期検査と、診断の第一段階に使う。確定にはCT〈シーティー〉やMRI〈エムアールアイ〉を行う。
- 4
特異性の高い腫瘍マーカーはCEAである。不正解
肝細胞癌の腫瘍マーカーはα-フェトプロテイン(AFP〈エーエフピー〉)とPIVKA-Ⅱ〈ピブカツー〉。CEA〈シーイーエー〉は大腸癌など多くの癌で上がるもので、肝細胞癌に特有ではない。
- 5
肝内胆管の細胞が腫瘍化して発生する癌である。不正解
肝内胆管の細胞から生じるのは肝内胆管癌で、肝細胞癌とは別の病気。
📚 国試でよく狙われるところ
腫瘍マーカーと癌の組合せは頻出。表ごと覚えておく。
- 治療は、肝臓に残っている余力と、腫瘍の数・大きさをみて、手術・焼灼療法・カテーテルによる治療・薬物療法・肝移植から選ぶ。
| マーカー | 主に関連する癌 |
|---|---|
| AFP・PIVKA-Ⅱ | 肝細胞癌 |
| CEA | 大腸癌・胃癌・膵癌・肺癌など(広く上がる) |
| CA19-9 | 膵癌・胆道癌 |
| CA125 | 卵巣癌 |
| PSA | 前立腺癌 |
| SCC | 扁平上皮癌(子宮頸癌・食道癌・肺の扁平上皮癌) |
参考: 肝癌診療ガイドライン(日本肝臓学会)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について