第114回 看護師国家試験 午前 問83 解説
📝 問題
血液凝固因子はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・4
💡 解説
✅ 血液凝固因子にあたるのは、トロンボプラスチン(第Ⅲ因子)とフィブリノゲン(第Ⅰ因子)である。
血液凝固因子には第Ⅰ〜ⅩⅢ因子と番号がついている(第Ⅵは欠番)。この番号を持つものが凝固因子で、フィブリノゲンは第Ⅰ因子、トロンボプラスチン(組織因子)は第Ⅲ因子にあたる。
まぎらわしいのは「〜ゲン」で終わる名前。フィブリノゲンとプラスミノゲンは似ているが、固める側と溶かす側で正反対のはたらきをする。名前ではなく役割で覚える。
- 1
トロンボプラスチン正解
正しい。トロンボプラスチン(組織因子、第Ⅲ因子)。血管や組織が傷つくと現れて、外因系の凝固を始める。
- 2
エリスロポエチン不正解
エリスロポエチンは腎臓で作られ、骨髄で赤血球を作らせるホルモン。凝固には関わらず、腎性貧血の治療薬として使われる。
- 3
ウロビリノゲン不正解
ウロビリノゲンは、胆汁に出たビリルビンを腸内細菌が変えてできる物質。凝固因子ではない。
- 4
フィブリノゲン正解
正しい。フィブリノゲン(第Ⅰ因子)。肝臓で作られ、トロンビンによってフィブリンに変わり、血栓を丈夫にする。
- 5
プラスミノゲン不正解
プラスミノゲンは、活性化されてプラスミンになりフィブリンを分解する。凝固を進めるのではなく溶かす側にはたらく。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
ビタミンKが必要な凝固因子は第Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子。 覚え方は「肉・納豆」=2・9・7・10。 ワルファリンはこれらが作られるのを妨げる薬なので、ビタミンKの多い納豆・クロレラ・青汁はいっしょにとらない。
- 外因系はプロトロンビン時間、内因系は活性化部分トロンボプラスチン時間で調べる。
- ワルファリンの効き具合は、プロトロンビン時間から計算するPT-INR〈ピーティーアイエヌアール〉で確認する。
| 因子 | 名称 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 第Ⅰ因子 | フィブリノゲン | 肝臓で作られる。トロンビンによってフィブリンに変わる |
| 第Ⅱ因子 | プロトロンビン | ビタミンKが必要。トロンビンのもとになる |
| 第Ⅲ因子 | 組織トロンボプラスチン(組織因子) | 外因系の凝固の起点 |
| 第Ⅳ因子 | カルシウムイオン | 多くの凝固反応に欠かせない。採血管の薬剤はこれを取り除いて凝固を止める |
| 第Ⅶ因子 | プロコンベルチン | ビタミンKが必要。外因系 |
| 第Ⅷ因子 | 抗血友病因子 | 足りないと血友病A |
| 第Ⅸ因子 | クリスマス因子 | 足りないと血友病B。ビタミンKが必要 |
| 第Ⅹ因子 | スチュアート因子 | ビタミンKが必要。共通経路の中心 |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について