第114回 看護師国家試験 午前 問59 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

ポリファーマシーの説明で正しいのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ ポリファーマシーは、多くの薬を使うことで副作用などの有害な事象が生じている状態をいう。

ポリファーマシーは「薬の数が多いこと」そのものではない。多くの薬を飲むなかで、副作用が増える、飲み間違える、指示どおりに飲み続けられなくなるなど、実際に不利益が起きている状態をいう。

高齢者は肝臓や腎臓の働きが落ちて薬が体にたまりやすく、6剤以上で副作用が、5剤以上で転倒が増えると報告されている。

ある薬の副作用を別の薬で抑え、その薬がまた副作用を生む処方カスケードも、薬が増える一因になる。

  • 1

    医療者の指示どおりに服薬しない状況不正解

    指示どおりに飲まない状態は「服薬アドヒアランスの低下」。ポリファーマシーが背景にあることも多いが、別の概念。

  • 2

    多剤併用による有害な事象が生じている状態正解

    正しい。薬の数だけでは決まらず、不利益が実際に起きているかどうかで判断する。

  • 3

    認知機能の低下により服薬管理が困難な状態不正解

    認知機能の低下で薬の管理が難しいのは「服薬管理能力の低下」。支援は必要だが、ポリファーマシーの定義ではない。

  • 4

    処方されている薬の内容を理解していない状況不正解

    処方内容を理解していないのは服薬指導の課題で、多剤による有害事象という定義にはあてはまらない。

📚 ここも一緒におさえておこう

高齢者で注意する薬は、看護の観察項目とセットで覚える。

高齢者でとくに慎重に使う主な薬
薬起こりやすいこと
睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)転倒・骨折、せん妄、認知機能の低下
抗コリン作用のある薬(一部の抗ヒスタミン薬など)口渇、便秘、尿が出ない、認知機能の低下
解熱鎮痛薬(NSAIDs〈エヌセイズ〉)腎機能の障害、消化管の出血
血糖を下げる薬(スルホニル尿素薬)長く続く低血糖
抗精神病薬効きすぎによる過鎮静、錐体外路症状、誤嚥性肺炎
ジゴキシン体にたまって中毒(吐き気、不整脈、ものの見え方の異常)

参考: 厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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