第114回 看護師国家試験 午前 問37 解説
📝 問題
リラクセーションを目的とした腹式呼吸の方法で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 腹式呼吸では、呼吸に意識を集中することでリラックスできる。
リラクセーションのための腹式呼吸では、呼吸そのものに注意を向けることが要点になる。
「息が入ってお腹がふくらむ」「ゆっくり吐くとお腹がへこむ」と自分の呼吸を追ううちに、不安や痛みへ向いていた注意がそれ、副交感神経が優位になって心拍数・血圧・筋の緊張が下がる。
やり方は、鼻からゆっくり吸って、口からさらにゆっくり長く吐く。吸う:吐く=1:2が目安で、回数は安静時よりゆっくりにする。
- 1
浅い呼吸を繰り返す。不正解
浅く速い呼吸は交感神経を優位にし、かえって緊張や不安を強める。過換気になれば手足のしびれが出ることもある。
- 2
呼吸に意識を集中する。正解
正しい。呼吸を追ううちに、不安や痛みから注意がそれて体の力が抜ける。
- 3
1分間に20回のペースで行う。不正解
20回/分は成人の安静時呼吸数の上限にあたる速さで、リラクセーションには速すぎる。およそ6〜10回/分を目指す。
- 4
吸気と呼気の時間の比率を2:1とする。不正解
比率が逆。吸う:吐く=1:2、つまり吐くほうを吸うの約2倍の長さにする。吸うほうを長くすると交感神経が刺激される。
📚 混同しやすいので注意
呼吸法は名前が似ていても目的が違う。何のために行うかで整理する。
| 呼吸法 | 目的 | 要点 |
|---|---|---|
| 腹式呼吸 | リラクセーション、換気効率の改善 | 横隔膜を使う。鼻から吸って口から長く吐く。吸う:吐く=1:2 |
| 口すぼめ呼吸 | 慢性閉塞性肺疾患で細い気道がつぶれるのを防ぐ | 吐くときに口をすぼめ、気道の中の圧を保つ。吐く時間は吸うの2倍程度 |
| 深呼吸(術後) | 無気肺の予防、排痰の促進 | ゆっくり大きく吸って数秒止め、口から吐く |
| 漸進的筋弛緩法 | 筋の緊張をゆるめる | 筋をわざと緊張させてから緩め、力が抜けた感覚を味わう |
参考: 日本呼吸器学会「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について