第113回 看護師国家試験 午後 問100 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。 Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数84/分、血圧130/80 mmHgで、床上安静の指示が出された。 Aちゃんの入院時の看護計画で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 溶連菌感染後急性糸球体腎炎では高血圧を合併しやすいため、1日3回の血圧測定が適切である。
溶連菌感染後急性糸球体腎炎〈APSGN〉では、糸球体が傷んで水とナトリウムが体にたまり、浮腫・乏尿・高血圧が起こる。 入院時の血圧130/80mmHgは7歳児には高い値で、ここからさらに上がると高血圧性脳症を招く。1日3回の血圧測定を看護計画に入れ、上がり方を見張る。
残る3つはいずれも不適切。水分を促すのも持ち込み食を許すのも、急性期に守るべき水分・塩分の制限を崩してしまう。腰痛の訴えがないのに湿布を貼る理由もない——どれも「安静を保ち、水と塩を控え、血圧を見張る」という急性期の原則から判断できる。
高血圧性脳症とは
血圧が急に上がって脳がむくみ、頭痛や嘔吐からけいれん・意識障害まで進む状態。血圧が下がれば回復する。
- 1
水分摂取を促す。不正解
乏尿・浮腫のある急性期は水分・塩分を制限するため、水分摂取を促すのは誤り。
- 2
1日3回の血圧測定を行う。正解
高血圧を合併しやすく既に130/80mmHgと高値のため、1日3回の血圧測定で経過を監視するのが適切。
- 3
食事の持ち込みを許可する。不正解
塩分制限が必要であり、内容を管理できない持ち込み食を許可するのは不適切である。
- 4
腰部に消炎鎮痛薬を貼用する。不正解
腰痛の訴えがなく、消炎鎮痛薬を腰部に貼用する適応はない。なお、内服の消炎鎮痛薬は腎血流を低下させるため、腎炎では慎重に用いる。
📚 ここも一緒におさえておこう
急性期を越えたあとの経過も問われる。浮腫と血圧の改善を目安に安静を緩めていく流れで覚えよう。
- 浮腫が引いてきたかは、毎日同じ条件で測る体重と尿量でみる
- 尿が出るようになって浮腫と血圧が改善すれば、安静度を段階的に広げる
- 顕微鏡的血尿は半年〜1年続くことがあるが、それだけでは予後不良とは判断しない
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 先行感染 | A群β溶血性連鎖球菌による咽頭炎(1〜2週前)、皮膚感染(3〜4週前) |
| 主症状 | 肉眼的血尿、蛋白尿、浮腫(眼瞼から始まる)、乏尿、高血圧 |
| 検査 | ASO・ASK上昇、血清補体C3の低下(6〜8週で正常化)、BUN・クレアチニンの一過性上昇 |
| 治療・看護 | 安静、水分・塩分制限(乏尿期)、腎機能低下時の蛋白制限、降圧薬・利尿薬 |
| 予後 | 小児では良好。多くは数週間で利尿がつき軽快する |
参考: 小児急性糸球体腎炎の診療(安静・食事・血圧管理)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について