第113回 看護師国家試験 午前 問72 解説
📝 問題
A君(4歳、男児)は地震による災害のため体育館に両親と避難し、2週後に仮設住宅に移転した。その後1か月経過したころから、A君はわざと机や椅子をガタガタ揺らしながら「地震だ、逃げろ」などと騒いで遊んでいた。母親は仮設住宅に巡回に来ていた看護師に「Aの遊びにどのように対応したらよいでしょうか」と相談した。 看護師の母親への説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 災害の再現遊びは自然な回復過程であり、安心を保証する声かけをしながら見守るのが適切である。
被災した子どもが地震ごっこなどの再現遊びを通じて体験を表現することは、恐怖を消化しようとする自然な反応であり、多くは成長とともに落ち着く。 頭ごなしに禁止せず、「避難できたから安心だね」と安全を保証する声かけをしながら見守るのが適切である。
- 1
「すぐに児童精神科の医師の診察を受けましょう」不正解
再現遊びは多くが自然な回復過程で、直ちに専門医の受診を勧めるのは過剰である。
- 2
「危険な遊びにエスカレートしないよう、やめさせましょう」不正解
危険がなければ遊びを無理にやめさせるのは、気持ちの表出を妨げるため適切でない。
- 3
「避難できたから安心だね、と声をかけながら見守りましょう」正解
安全を保証する声かけをしながら見守ることが、災害後の子どもへの適切な関わりである。
- 4
「A君に家の手伝いをしてもらい何か役割を担ってもらいましょう」不正解
役割を担わせる対応は、この再現遊びへの母親への説明として最適ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
本問のような災害後の子どもの反応の多くは異常な出来事に対する正常な反応であり、安心できる環境と日常性の回復によって時間とともに軽減する。
- よくみられる反応=退行(赤ちゃん返り)、夜尿、分離不安、睡眠障害、集中力の低下、腹痛や頭痛などの身体症状、地震ごっこなどの再現遊び。
- サイコロジカル・ファーストエイド〈PFA〉は「見る・聞く・つなぐ」を基本に、安全と安心、周囲とのつながりを確保する初期支援である。
- 遊びや絵は子どもの表現手段であり、危険がなければ止めずに見守る。ただし1か月以上続く強い症状や生活機能の障害があれば専門機関につなぐ。
- 保護者の不安は子どもに伝わるため、保護者への支援そのものが子どものケアになる。
参考: 災害時の子どものこころのケアに関する標準的指針
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について