第113回 看護師国家試験 午前 問52 解説
一般老年看護学
📝 問題
高齢者のコミュニケーション障害の要因と状態の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 要因と状態の正しい組合せは「耳垢の蓄積―音が小さく聞こえる」である。
耳垢がたまって外耳道を塞ぐ(耳垢塞栓)と音が伝わりにくくなり、音が小さく聞こえる伝音難聴を生じる。要因と状態が正しく対応している。
組合せの問題は、その要因が「聞こえ」「発音」「言葉の思い出し」のどの働きを妨げるかで判断する。聞こえの障害は聞こえ方の変化に、口腔の問題は発音に、記憶の問題は言葉の思い出しにつながる。
- 1
歯牙の欠損 ―― 言葉が出てこない。不正解
歯牙の欠損は発音(構音)に影響するもので、「言葉が出てこない」とは対応しない。
- 2
耳垢の蓄積 ―― 音が小さく聞こえる。正解
耳垢塞栓は伝音難聴を生じ、音が小さく聞こえるようになる。要因と状態が正しく対応する。
- 3
想起能力の低下 ―― 相手の表情が読み取れない。不正解
想起能力の低下は言葉の想起困難につながり、「相手の表情が読み取れない」とは対応しない。
- 4
語音弁別能の低下 ―― はっきり発音できない。不正解
語音弁別能の低下は言葉の聞き分けの障害で、発音(構音)の問題とは異なる。
📚 混同しやすいので注意
難聴は障害部位で伝音難聴と感音難聴に分かれる。加齢性難聴は感音難聴で、高音域から低下し語音弁別能も落ちるため、大声で話しても聞き取りにくい。
- 高齢者との対話の工夫=正面から顔が見えるように、低めの声でゆっくり・区切って、静かな環境で、身振りや筆談を併用する。大声で叫ばない。
- コミュニケーション障害の要因は聴覚だけでなく、視覚(表情の読み取り)・構音(歯牙欠損・義歯不適合)・認知(喚語困難)にも及ぶ。
| 分類 | 障害部位 | 主な原因 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 伝音難聴 | 外耳・中耳 | 耳垢塞栓、中耳炎、鼓膜穿孔、耳硬化症 | 音が小さく聞こえる。原因除去や補聴器が有効 |
| 感音難聴 | 内耳・聴神経 | 加齢性難聴、突発性難聴、騒音性難聴、メニエール病、薬剤性 | 高音域から低下、語音弁別能が低下。補充現象(リクルートメント) |
| 混合性難聴 | 両者 | 慢性中耳炎に加齢が加わるなど | 両方の特徴をもつ |
参考: 老年看護学(加齢による感覚・コミュニケーション機能の変化)
ClaudeによるAI生成を活用した解説です
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について