第112回 看護師国家試験 午後 問71 解説
📝 問題
災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 災害対策基本法には、国や都道府県・市町村がつくる防災計画の作成が規定されている。
災害対策基本法は、国・都道府県・市町村の防災に関する責務や、防災計画(防災基本計画・地域防災計画等)の作成を規定した基本法である。 この法律を基盤に、各主体が計画を策定し、災害への備えと対応を体系的に進める。
他の選択肢は誤り。地域災害拠点病院(災害拠点病院)は市町村ではなく都道府県が指定する。トリアージは限られた資源で「救命可能性の高い患者を優先」して最大多数を救うために行うのであり、救命困難な患者の治療を優先するためではない。災害派遣医療チーム〈DMAT〉は急性期に被災地で救命医療・搬送を担うチームであり、精神科医療・精神保健活動を専門に行うのは災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉である。
国試の災害看護では、災害拠点病院=都道府県指定、トリアージの目的(最大多数の救命)、DMAT(身体的救命)とDPAT(精神保健)の役割分担が頻出する。主体・目的・チーム名の取り違えに注意する。
災害拠点病院とは
災害時に重症者を受け入れ、医療チームの派遣や物資供給の拠点にもなる病院。24時間対応できる体制や、自家発電・備蓄などの設備が求められる。都道府県が指定する。
防災計画とは
国がつくる防災基本計画、都道府県・市町村がつくる地域防災計画などの総称。災害への備えと、起きたときに誰が何をするかをあらかじめ定めておくもの。
- 1
地域災害拠点病院は市町村が指定する。不正解
地域災害拠点病院を指定するのは市町村ではなく都道府県である。
- 2
災害対策基本法には防災計画の作成が規定されている。正解
災害対策基本法には防災計画(防災基本計画・地域防災計画等)の作成が規定されている。
- 3
トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。不正解
トリアージは救命可能性の高い患者を優先し最大多数を救うために行う。救命困難な患者の優先ではない。
- 4
災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。不正解
精神科医療・精神保健活動を専門に行うのはDPATであり、DMATは急性期の救命医療・搬送を担う。
📚 国試でよく狙われるところ
災害医療の引っかけは、取り違えで来る。トリアージの色と状態、タッグを着ける場所、チームの名前と役割の3組を、取り違えないように覚えよう。 トリアージの目的は最大多数の傷病者に最善を尽くすことで、限られた資源を救命可能性の高い人へ振り向ける。
- 一次トリアージはSTART法(スタート)で、歩行→呼吸→循環→意識の順に、1人あたり30秒程度で判定する。
- トリアージタッグは原則右手首に装着し、切断等で装着できない場合は左手首→右足首→左足首→頸部の順とする。
- タッグは3枚複写で、1枚目=災害現場用、2枚目=搬送機関用、3枚目=収容医療機関用(本体は患者に装着)。
- DMATの活動はおおむね発災後48時間以内の急性期が中心。
| 区分 | 色 | 状態 |
|---|---|---|
| Ⅰ 最優先治療群 | 赤 | 生命の危機があり、直ちに処置すれば救命できる |
| Ⅱ 待機的治療群 | 黄 | 多少処置が遅れても生命に危険がない |
| Ⅲ 保留群(軽処置群) | 緑 | 歩行可能な軽症 |
| 0 死亡群(不処置群) | 黒 | 死亡、または救命がきわめて困難 |
参考: 災害対策基本法/災害拠点病院・DMAT・DPATの制度
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について