第112回 看護師国家試験 午後 問70 解説
📝 問題
医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 医療法に基づいて医療機関が行うのは、医療の安全を確保するための指針を策定することである。
医療法および関連する省令は、病院・診療所等の医療機関に対し、医療安全を確保するための体制整備を義務付けている。医療の安全を確保するための指針の策定はその1つで、体制整備の中身は下にまとめた。
他の選択肢は主体や内容が誤り。医療安全支援センターは都道府県・保健所設置市・特別区が設置するもので、個々の医療機関が設置するものではない。医療安全管理者養成研修は職能団体等が実施する研修であり、医療機関の義務規定そのものではない。職員研修は実施が求められるが「2年に1回」ではなく、年2回程度など定期的な実施が求められており、頻度の記述が誤りである。
国試の医療安全では、医療法上の医療機関の義務と、医療安全支援センター(行政が設置し相談対応・情報提供を行う)の区別が頻出する。主体(医療機関か行政か)と頻度の記述に注意して判別する。
省令とは
法律で決めた枠組みの細かい中身を、各省が定めたきまり。医療安全で医療機関がすべきことは、医療法施行規則という省令に書かれている。
職能団体とは
同じ資格をもつ人が集まってつくる団体。看護では日本看護協会が代表で、研修や職業上の基準づくりを担う。
- 1
医療安全支援センターを設置する。不正解
医療安全支援センターは都道府県等の行政が設置するもので、個々の医療機関が設置するものではない。
- 2
医療安全管理者養成研修を実施する。不正解
医療安全管理者養成研修は職能団体等が実施するもので、医療機関の医療法上の義務規定そのものではない。
- 3
医療の安全を確保するための指針を策定する。正解
医療法に基づき、医療機関は医療安全確保のための指針を策定する義務がある。
- 4
医療安全管理のために必要な研修を2年に1回実施する。不正解
職員研修の実施は求められるが、頻度は2年に1回ではなく定期的(年複数回程度)とされ、記述が誤りである。
📚 国試でよく狙われるところ
医療安全の義務は、頻度と主体をすり替えて問われる。「誰が・何を・どのくらいの頻度で」の3点を対にして覚えよう。 医療法施行規則は、すべての病院・診療所等の管理者に医療安全確保の4つの措置を義務付けている。
- ①医療に係る安全管理のための指針の整備
- ②医療に係る安全管理のための委員会の開催(無床診療所を除く)
- ③医療に係る安全管理のための職員研修の実施(年2回程度、定期的に)
- ④事故等の報告等、医療の安全確保を目的とした改善のための方策の実施
- 同様に、院内感染対策・医薬品の安全使用・医療機器の保守点検についても指針の整備や責任者の配置が求められる。
参考: 医療法(医療の安全の確保に関する規定)/医療法施行規則(安全管理体制の整備)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について