第112回 看護師国家試験 午後 問61 解説
📝 問題
産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 児が乳頭を吸啜すると下垂体後葉からオキシトシンが分泌され、射乳と子宮復古を促すのが正しい。
分娩後、児が乳頭を吸啜すると、その刺激が下垂体後葉に伝わりオキシトシンが分泌される。オキシトシンは乳腺の筋上皮細胞を収縮させて射乳(乳汁の駆出)を起こし、子宮筋も収縮させて子宮復古(後陣痛)を促す。 授乳が進むほど子宮復古も進む、という生理的なつながりで覚える。
他の選択肢は数値・方向が誤り。子宮が非妊時の大きさに戻る(子宮復古の完了)のは分娩後約6週であり、約2週ではない。分娩後は妊娠中に貯留した水分の排出のため一時的に尿量は増加(多尿)する。またプロゲステロン(およびエストロゲン)は胎盤娩出により急激に低下し、この低下がプロラクチンの作用発現と乳汁分泌の開始を可能にする。
国試の産褥期問題では、オキシトシン=射乳・子宮収縮、プロラクチン=乳汁産生というホルモンの役割分担が繰り返し問われる。
吸啜とは
赤ちゃんが乳首をくわえて吸うこと。この刺激が、乳汁を出す反射と子宮を縮める反射のスイッチになる。
- 1
児が乳頭を吸啜することによってオキシトシンが分泌される。正解
乳頭吸啜刺激で下垂体後葉からオキシトシンが分泌され、射乳と子宮復古(後陣痛)を促す。
- 2
子宮が非妊時の大きさに戻るのは分娩後約2週である。不正解
子宮が非妊時の大きさに戻る子宮復古の完了は分娩後約6週であり、約2週ではない。
- 3
分娩後は一時的に尿量が減少する。不正解
分娩後は妊娠中に貯留した水分を排出するため、一時的に尿量は増加(多尿)する。
- 4
プロゲステロンが増加する。不正解
プロゲステロンは胎盤娩出により急激に低下する。増加はしない。
📚 ここも一緒におさえておこう
産褥期の問題は、ホルモンがどちらへ動くかと、体がもとに戻るまでの日数のどちらかで決まる。数値と現象を対にして覚えよう。 妊娠中に高値だったエストロゲン・プロゲステロンは胎盤娩出とともに急減し、抑えられていたプロラクチンの作用が現れて乳汁分泌が始まる。
- 子宮が非妊時の大きさに戻る(子宮復古の完了)のは分娩後約6週。
- 産褥早期は妊娠中に貯留した水分を排出するため多尿・発汗が生理的に増える。
- 後陣痛は経産婦や授乳時に強く出やすく、子宮収縮が良好なことを示す正常な現象である。
| ホルモン | 分泌部位 | 主な作用 |
|---|---|---|
| プロラクチン | 下垂体前葉 | 乳汁の産生。吸啜刺激で分泌が増える |
| オキシトシン | 下垂体後葉 | 射乳反射(乳汁の駆出)と子宮収縮(後陣痛) |
| エストロゲン・プロゲステロン | 妊娠中は胎盤 | 胎盤娩出で急減し、乳汁分泌の開始を可能にする |
参考: 標準的な母性看護学教科書(産褥期の生理的変化)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について