第112回 看護師国家試験 午後 問30 解説
📝 問題
帯状疱疹について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 帯状疱疹は、過去にかかった水痘のウイルスが神経節に潜み、再活性化して発症する。
帯状疱疹は、初感染時に水痘(みずぼうそう)を起こした水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV〈ブイゼットブイ〉)が、治癒後も神経節に潜伏し、加齢や免疫低下を契機に再活性化して発症する。 つまり帯状疱疹は、水痘にかかったことのある人に起こる。 神経の走行に沿って片側性・帯状に水疱と強い痛みが出るのが特徴である。
国試では帯状疱疹の原因ウイルスと病態が頻出する。原因は単純ヘルペスウイルスではなく水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)である点が重要である。皮疹治癒後も帯状疱疹後神経痛として痛みが長く残ることがあり、ウイルスが発症後1か月で消滅するわけではない。また顔面など部位によっては顔面神経麻痺(運動神経麻痺)を合併することがあり、「運動神経麻痺は生じない」は誤りである。
- 1
運動神経麻痺は生じない。不正解
顔面領域などでは顔面神経麻痺(運動神経麻痺)を合併することがあり、麻痺が生じないとはいえない。
- 2
感染の既往として水痘がある。正解
帯状疱疹は水痘の既往をもつ人で潜伏した水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して発症する。
- 3
ウイルスは発症後1か月で消滅する。不正解
ウイルスは神経節に潜伏し続けるため、発症後1か月で消滅するわけではない。
- 4
単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。不正解
原因は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)であり、単純ヘルペスウイルスではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
帯状疱疹は「水痘のウイルスが神経節に残っている」ことから説明できる。片側に帯状に出るのも、未感染者に水痘としてうつるのも同じ理由で、治療も感染対策もここにつながる。
- ウイルスは治癒後も脊髄後根神経節などに潜伏し、加齢・免疫低下・疲労を契機に再活性化する。
- 抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)は皮疹出現から72時間以内の開始が望ましい。
- 三叉神経第1枝領域では角膜炎・視力障害を、顔面神経の膝神経節ではRamsay Hunt〈ラムゼイ・ハント〉症候群(顔面神経麻痺+耳介の水疱+難聴・めまい)を生じる。
- 水疱内容にはウイルスが存在し、未感染者には水痘として感染しうる。皮疹がかさぶたになる(痂皮化する)までは接触に注意する。
- 皮疹治癒後も痛みが残るのが帯状疱疹後神経痛で、高齢者ほど残りやすい。
参考: 標準的な感染症学・皮膚科学(帯状疱疹)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について