第112回 看護師国家試験 午後 問11 解説
📝 問題
副交感神経の作用で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 副交感神経の作用として正しいのは消化液分泌の促進である。
副交感神経は身体を安静・消化・回復の方向へ調節する。その代表的作用は消化液分泌の促進や消化管運動の亢進、心拍数の低下、気管支の収縮、瞳孔の縮小などである。
国試では交感神経と副交感神経の作用の対比が頻出する。交感神経は「闘争・逃走」の方向に働き、瞳孔散大・気管支拡張・心拍数増加・消化抑制を起こす。副交感神経はその逆で、瞳孔縮小・気管支収縮・心拍数減少・消化促進を起こす。「休息と消化」というキーワードで副交感神経の方向性を覚えるとよい。
- 1
瞳孔散大不正解
瞳孔散大は交感神経の作用であり、副交感神経では逆に瞳孔は縮小する。
- 2
気管支拡張不正解
気管支拡張は交感神経の作用で、副交感神経は気管支を収縮させる。
- 3
心拍数の増加不正解
心拍数の増加は交感神経の作用であり、副交感神経は心拍数を低下させる。
- 4
消化液分泌の促進正解
消化液分泌の促進は副交感神経の代表的作用で、消化・吸収を助ける方向に働く。
📚 混同しやすいので注意
器官ごとに交感神経と副交感神経を左右に並べると、ほとんどが反対向きの組になる。片方を覚えればもう片方は逆、と扱えるのがこの分野のこつ。
- 節後線維の伝達物質は、交感神経が主にノルアドレナリン(汗腺はアセチルコリン)、副交感神経がアセチルコリン。
- 抗コリン薬は副交感神経を遮断するため、口渇・便秘・尿閉・散瞳・眼圧上昇を来す(緑内障・前立腺肥大症では注意)。
| 器官 | 交感神経 | 副交感神経 |
|---|---|---|
| 瞳孔 | 散大 | 縮小 |
| 心拍数・収縮力 | 増加 | 減少 |
| 気管支 | 拡張 | 収縮 |
| 消化管運動・消化液分泌 | 抑制 | 促進 |
| 膀胱 | 蓄尿(排尿筋弛緩・括約筋収縮) | 排尿(排尿筋収縮・括約筋弛緩) |
| 末梢血管 | 収縮 | 支配は乏しい |
参考: 標準的な解剖生理学(自律神経系)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について