第112回 看護師国家試験 午前 問81 解説
📝 問題
変形性膝関節症について正しいのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 変形性膝関節症は経時的に進行し、およそ10年で約半数が悪化する。
変形性膝関節症は関節軟骨の変性・摩耗を主体とする加齢性・退行性の関節疾患で、多くは緩徐に進行する。長期経過をみると経時的に進行し、およそ10年で約半数が悪化するとされる。中高年の女性に多く、肥満やO脚などが危険因子となる。
他の選択肢は疫学・治療の実際と合わない。男性より女性に多く、原因が明らかでない一次性(原発性)が二次性より多い。変形性関節症の中で膝関節が最も多く、2番目ではない。治療は運動療法・体重管理・薬物療法などの保存療法が第一選択で、手術療法は保存療法で改善しない進行例に検討される。
「まず保存療法、進行例に手術」という順序で覚える。
- 1
男性に多い。不正解
変形性膝関節症は男性よりも女性に多い。
- 2
第一選択は手術療法である。不正解
第一選択は運動療法・体重管理などの保存療法であり、手術療法ではない。
- 3
変形性関節症の中で2番目に多い。不正解
変形性関節症の中で膝関節が最も多く、2番目ではない。
- 4
二次性のものが一次性のものより多い。不正解
原因の明らかでない一次性(原発性)のものが、他疾患に続発する二次性より多い。
- 5
経時的に進行して10年で半数が悪化する。正解
経時的に進行し、およそ10年で約半数が悪化するとされる。
📚 ここも一緒におさえておこう
変形性膝関節症では、関節リウマチとの見分け方、膝への負担を減らす生活指導、手術後の合併症予防がまとめて問われる。
- 関節リウマチとの違い=変形性関節症は朝のこわばりが30分以内と短く、炎症所見に乏しく、左右非対称で荷重関節に起こる
- 生活指導は洋式トイレ・椅子の生活への変更、正座やしゃがみこみを避ける、階段より手すりやエレベーターを使うなど膝への負担軽減が中心
- 人工膝関節置換術後は深部静脈血栓症の予防(早期離床・弾性ストッキング・足関節運動)が重要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発 | 中高年の女性、肥満、O脚(内反変形)、膝の外傷歴 |
| 症状 | 動作開始時痛、階段昇降時痛(とくに降り)、正座困難、関節可動域制限、関節水腫 |
| 画像所見 | 関節裂隙(骨と骨のすきま)の狭小化(内側優位)、骨棘(関節のふちにできるとげ状の骨)の形成、軟骨下骨の硬化 |
| 保存療法 | 大腿四頭筋の筋力訓練、減量、杖・足底板、温熱療法、非ステロイド性抗炎症薬、ヒアルロン酸の関節内注射 |
| 手術療法 | 高位脛骨骨切り術、人工膝関節全置換術〈TKA〉 |
参考: 変形性膝関節症診療ガイドライン(疫学・自然経過)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について