第112回 看護師国家試験 午前 問14 解説
📝 問題
糖尿病の急性合併症はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 糖尿病の急性合併症はケトアシドーシス昏睡である。
糖尿病の合併症は、短期間で生じる急性合併症と、長期の高血糖により進行する慢性合併症に分けられる。急性合併症には、ケトーシスが進んで血液が酸性に傾く糖尿病ケトアシドーシス(DKA)や高浸透圧高血糖状態、低血糖などがあり、いずれも意識障害・昏睡を来しうる緊急事態である。
国試では急性・慢性合併症の区別が頻出する。慢性合併症の代表は三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)と大血管障害(脳・心血管疾患)、足壊疽などで、いずれも長期の高血糖で進行する。急性合併症は、インスリン作用の不足や感染などをきっかけに急に起こる点が対照的である。
ケトーシスとは
糖のかわりに脂肪が分解され、ケトン体という物質が血液中に増えた状態。さらに進んで血液が酸性に傾いたものがケトアシドーシスである。
- 1
足壊疽不正解
足壊疽は末梢神経障害や血流障害が長期に進んで生じる慢性合併症である。
- 2
脳血管疾患不正解
脳血管疾患は動脈硬化の進展による慢性(大血管)合併症である。
- 3
糖尿病網膜症不正解
糖尿病網膜症は三大合併症の一つで、長期の高血糖による慢性合併症である。
- 4
ケトアシドーシス昏睡正解
ケトアシドーシス昏睡はインスリン作用の著明な不足で急激に生じる急性合併症である。
📚 国試でよく狙われるところ
糖尿病の合併症は、急性か慢性かの分け方と、慢性合併症の語呂で問われる。 神経障害があると症状に気づきにくくなる点にも注意する。
- 神経障害があると心筋梗塞が無痛性になることがあり、足病変も気づかれにくいためフットケアが重要
| 分類 | 代表的な病態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 急性 | 糖尿病ケトアシドーシス | 1型に多い。インスリンの絶対的欠乏。口渇・多尿・腹痛、クスマウル呼吸(深く大きい呼吸で酸を吐き出そうとする)、呼気のアセトン臭 |
| 急性 | 高浸透圧高血糖状態 | 2型の高齢者に多い。著明な高血糖と高度の脱水。ケトーシスは軽度 |
| 急性 | 低血糖 | 冷汗・動悸・手指振戦から意識障害へ。薬剤・食事量不足・過度の運動が誘因 |
| 慢性(細小血管) | 網膜症・腎症・神経障害 | 発症しやすい順の語呂は「しめじ」(神経・眼・腎) |
| 慢性(大血管) | 脳血管疾患・虚血性心疾患・末梢動脈疾患 | 語呂は「えのき」(壊疽・脳・心) |
参考: 標準的な糖尿病学(急性・慢性合併症の分類)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について