第111回 看護師国家試験 午後 問38 解説
📝 問題
点眼薬の投与について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 点眼後、眼から溢れた薬液は拭き取るのが正しい。
点眼は、下眼瞼を軽く引き下げて下結膜嚢に1滴落とす。容器の先端はまつ毛や結膜に触れさせない(容器の汚染と角膜損傷を防ぐため)。 滴下したら静かに目を閉じ、涙嚢部(目頭)を軽く圧迫して、薬液が鼻から全身へ流れるのを防ぐ。 眼から溢れた薬液はそのままにすると皮膚がかぶれるため、清潔なティッシュなどで拭き取る。
他の選択肢は、まぶた・容器の先端・圧迫する場所の扱いが誤っている。点眼で引き下げるのは上眼瞼ではなく下眼瞼である。 容器の先端を眼瞼結膜に当てると容器が汚染され、角膜を傷つけることもある。 点眼後に押さえるのは眼球ではなく涙嚢部(目頭)で、眼球を圧迫してはならない。
結膜嚢とは
下まぶたを軽く引くとできる、白目とまぶたの間の袋状のすきま。点眼薬はここに落とす。
涙嚢部とは
目頭にある、涙が鼻へ流れていく通り道の入口。ここを押さえると薬が鼻や全身へ回りにくい。
- 1
点眼時は上眼瞼を上げる。不正解
点眼時は下眼瞼を下げて下結膜嚢に滴下する。上眼瞼を上げるのではない。
- 2
点眼容器の先端は眼瞼結膜に当てる。不正解
容器先端を結膜に当てると汚染・角膜損傷の恐れがあり、触れさせてはならない。
- 3
点眼後は眼球を圧迫する。不正解
圧迫するのは眼球ではなく涙嚢部(目頭)。眼球圧迫は禁忌。
- 4
眼から溢れた薬液は拭き取る。正解
溢れた薬液は皮膚刺激を防ぐため清潔なティッシュ等で拭き取る。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
点眼液1滴(約50μL)は、結膜嚢に入る量(約30μL)より多い。 多く差してもあふれるだけで効果は上がらず、副作用と費用が増えるため1回1滴で十分である。
- 複数の点眼を行う順序は水性点眼液→懸濁性点眼液→眼軟膏。それぞれ5分以上あける。
- 緑内障治療薬など全身作用のある薬では、涙嚢部を1〜5分圧迫して鼻涙管からの吸収を減らす。
- 容器の先端がまつ毛・眼瞼・結膜に触れないよう、容器は目から1〜2cm離して持つ。容器は他者と共用しない。
- 眼軟膏は下眼瞼結膜嚢に約1cm塗布し、閉眼して眼球を軽く動かしてなじませる。
- 点眼の前後は手指衛生を行う。感染性結膜炎ではタオルの共用を避ける。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について