第111回 看護師国家試験 午後 問34 解説
📝 問題
クリティカル・シンキングで適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ クリティカル・シンキングは根拠に基づいて考えることである。
クリティカル・シンキング(批判的思考)は、感情や思い込みに流されず、客観的な根拠をもとに、筋道を立てて多面的に確かめてから判断する考え方である。
「批判的」という言葉から「物事を否定的にみること」と取り違えやすいが、ここでの批判は否定ではなく、目の前の情報や前提を鵜呑みにせず吟味するという意味である。 主観や直感を重んじる姿勢は、その反対側にあたる。
覚え方は「否定ではなく吟味」。キーワードは客観・根拠・論理で、看護過程のアセスメントやEBN(根拠に基づく看護)の土台になる。
EBN〈イービーエヌ〉とは
「根拠に基づく看護」の略。研究で確かめられた根拠に、看護師の経験と患者の希望を重ねあわせて、そのつど最善のケアを選ぶ考え方。
- 1
物事を否定的にみる。不正解
否定的にみることではない。批判=否定ではなく吟味・検証を意味する。
- 2
根拠に基づいて考える。正解
客観的な根拠・事実に基づいて論理的に思考することがクリティカル・シンキングである。
- 3
主観的な情報を重視する。不正解
主観的情報の重視は対極の姿勢。客観的情報を重視する。
- 4
直感的に状況を判断する。不正解
直感的判断ではなく、論理的・分析的な判断を行う。
📚 ここも一緒におさえておこう
EBN(根拠に基づく看護)は、最良の科学的根拠・看護師の臨床経験と技術・患者の価値観と意向を統合して意思決定する考え方である。
- クリティカル・シンキングの要素=情報の正確さ・信頼性を吟味する、自分の前提や思い込みを自覚する、複数の視点から考える、結論の根拠を説明できる。
- 看護過程のアセスメントで特に必要とされ、臨床判断の質を左右する。
- リフレクション(省察)は自らの実践を振り返って意味づける行為で、クリティカル・シンキングと相互に高め合う。
- エビデンスのレベルは一般にシステマティックレビュー・メタアナリシス>ランダム化比較試験>コホート研究>症例対照研究>症例報告・専門家の意見の順に高い。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について