第111回 看護師国家試験 午前 問68 解説
📝 問題
A さん(80 歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50 歳、会社員)、長男の妻(45 歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。A さんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたり A さんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 特定の家族に介護負担が集中しないよう家族で話し合うよう促すのが最も適切である
在宅介護が初めての家族への支援では、介護を家族全体の課題としてとらえ、負担が特定の一人に偏らないよう役割を分担することが要になる。介護を続けるためにも、介護者自身の健康を守るためにも欠かせない。 家族で話し合うようすすめる説明が最も適切である。
他の選択肢は、家族の事情を確かめないまま一律の答えを示してしまっている。ベッドの置き場所は本人の状態や生活動線、プライバシーをふまえて家族と相談して決める。生活リズムは介護に合わせるのではなく、介護と暮らしのつり合いをとる。在宅サービスも、多く使うほどよいのではなく必要に応じて選ぶ。
- 1
「A さんの介護用ベッドはリビングに置きましょう」不正解
ベッドの設置場所は本人の状態・生活動線・プライバシーを踏まえ家族と相談すべきで、一律に決めるのは不適切である。
- 2
「A さんの介護に家族の生活リズムを合わせましょう」不正解
家族の生活リズムを介護に合わせるのではなく、介護と生活のバランスを図ることが持続可能な在宅介護につながる。
- 3
「活用できる在宅サービスをできる限り多く利用しましょう」不正解
サービスは必要に応じ適切に選ぶべきで、できる限り多く利用することが最善とは限らない。
- 4
「特定の同居家族に介護負担が集中しないように家族で話し合いましょう」正解
介護負担が特定の家族に集中しないよう家族で話し合うことが介護継続と介護者の健康維持に重要である。
📚 国試でよく狙われるところ
在宅介護の問題は、療養者本人ではなく介護者の側をどう支えるかで問われる。介護力は人数ではなく、就労状況・健康状態・関係性・意欲で決まると覚えよう。
- 介護者の負担を測る尺度にZarit(ザリット)介護負担尺度がある。
- 介護者の休養を目的としたサービス=レスパイトケア(短期入所、通所介護など)。
- 在宅介護の継続を左右するのは、介護者の健康と睡眠、そして相談できる相手がいること。
- 高齢者虐待は介護負担の集中と孤立が背景になりやすい。高齢者虐待防止法では、発見者に市町村への通報が求められる。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について