第111回 看護師国家試験 午前 問22 解説
📝 問題
1回の気管内吸引を 30 秒以上実施した場合に生じるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 気管内吸引を30秒以上続けると低酸素血症が生じる。
気管内吸引では、痰といっしょに気道の空気(酸素)も吸い出してしまう。1回の吸引が長引くと肺に空気の入る時間がなくなり、低酸素血症が起こる。
そのため吸引は1回10〜15秒以内で手早く終え、前後に酸素を十分に与える。30秒続けるということは、患者はその間ずっと息を止めて待たされているのと同じである。
覚え方: 吸引は1回10〜15秒。患者は息を止めて待たされていると考え、長引かせない。
低酸素血症とは
血液中の酸素が足りなくなった状態。SpO2の低下や、くちびる・爪が紫色になるチアノーゼとして現れる。
- 1
嘔吐不正解
嘔吐は咽頭刺激で起こりうるが、30秒以上の吸引で必発する典型的合併症ではない。
- 2
感染不正解
感染は無菌操作の不備で生じるもので、吸引時間の長さが直接の原因ではない。
- 3
低酸素血症正解
長時間の吸引で気道内の酸素も吸い出され、換気が妨げられて低酸素血症を生じる。
- 4
気道粘膜の損傷不正解
気道粘膜損傷は過度な吸引圧やカテーテル操作で起こるが、『30秒以上』で最も生じるのは低酸素血症。
📚 国試でよく狙われるところ
気管内吸引は、吸引の時間・圧・実施のタイミングを入れ替えて問われる。短く・弱めの圧で・必要なときだけの3点で覚えよう。
- 成人の吸引圧はおおむね20kPa(150mmHg)を超えない範囲に設定する。
- 吸引はカテーテル挿入時ではなく引き抜きながら行い、同一部位に留めない。
- 実施の判断は時間ではなく副雑音・分泌物の貯留・SpO2低下など必要性で行う(ルーチン実施はしない)。
- 合併症:低酸素血症、徐脈・不整脈(迷走神経反射)、気道粘膜損傷・出血、無気肺、感染。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について