第111回 看護師国家試験 午前 問105 解説

状況設定母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

A さん(30 歳、初産婦)は X 年2月5日に妊婦健康診査のために来院した。X 年2月のカレンダーに A さんの受診日と分娩予定日を示す。 A さんは「自分の子どもが生まれて、どんなふうにあやすかな、とか、オムツを替えるかなと自分が子育てをしている場面を思い浮かべます」と笑顔で話している。看護師は A さんの様子をルービン,R.が示した母親役割獲得過程に当てはめてどの段階にあるかをアセスメントした。 A さんのアセスメントで適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 子育て場面を思い描く段階はルービンの母親役割獲得過程の「空想」である

ルービンは、女性が母親の役割を身につけていく過程を、模倣→ロールプレイ→空想→取り込み・投影・拒絶→悲嘆作業という心の動きで示した。

Aさんの「どんなふうにあやすかな、オムツを替えるかな」という言葉は、まだ経験していない母親としての自分を思い描いたもの。これが空想にあたる。

ほかの選択肢はどれも別の段階を指す。模倣は他の母親のしぐさをまねること、ロールプレイは人形などで役割を演じてみること、取り込みは自分に合うやり方を選び取って自分のものにしていくことである。

悲嘆作業とは

これまでの自分の役割や暮らし方を手放し、その寂しさを乗り越えていく心の作業。母親になる過程にも含まれる。

  • 1

    空想正解

    まだ経験していない育児場面を思い描くのは、ルービンの「空想」の段階に該当する。

  • 2

    模倣不正解

    模倣は他の母親の行動を真似る段階で、本場面とは異なる。

  • 3

    取り込み不正解

    取り込みは役割行動を取捨選択して自分のものにする段階で、想像とは異なる。

  • 4

    ロールプレイ不正解

    ロールプレイは人形等で実際に役割を演じる段階で、本場面の想像とは異なる。

📚 ここも一緒におさえておこう

妊娠期は母親になる準備が心の中で進む時期でもある。育児を思い描く、赤ちゃん用品を選ぶ、母親のモデルを探す——どれも順調に適応しているサインなので、否定せず受け止めて支持する。

  • 空想の次に来る取り込み・投影・拒絶は、周りのやり方を取り入れ(取り込み)、自分に当てはめて試し(投影)、合わないものを退ける(拒絶)という3つの動きをまとめた段階。
  • 妊娠期の心理は時期で変わる。初期は妊娠の受容とアンビバレンス(両価的な気持ち)、中期は胎動で胎児を実感して愛着が深まる、末期は分娩への不安と出産準備。
  • 愛着(ボンディング)を促す関わり=胎動を一緒に感じる、超音波画像を一緒に見る、出生直後の早期母子接触、母児同室。
  • 父親も同じように親の役割を身につけていく。両親学級は父親が準備を進める機会になる。

出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第111回の問題一覧を見る