第110回 看護師国家試験 午後 問93 解説
📝 問題
Aさん(64歳、女性、主婦)は完全房室ブロックと診断された。その後、Aさんにはペースメーカー植込み術が行われ、看護師は退院後の電磁干渉について説明を行った。Aさんからは「生活の中でどのようなことに注意をすれば良いですか」と質問があった。 Aさんが最も注意する必要がある状況はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 電子商品監視装置〈EAS〉の通過はペースメーカーへの電磁干渉リスクが高く、最も注意が必要。
ペースメーカー植込み後は、強い電磁波を発生する機器による電磁干渉(EMI)に注意する。電子商品監視装置〈EAS〉(店舗出入口の万引き防止ゲート)は強い電磁界を発生し、ペースメーカーの誤作動を招く恐れがあるため、立ち止まらず中央を速やかに通過するよう指導する。
新幹線・パソコン・電動アシスト自転車は、通常の使い方ならペースメーカーに影響しない。
退院指導では「立ち止まらない・機器に密着しない・異常(めまい・動悸)を感じたら離れる」という原則を、Aさんの趣味や生活動線に即して具体的に説明する。 体脂肪計は微弱な電流を体に流すため、使用しない。
電磁干渉とは
外部の強い電磁波がペースメーカーの動きを乱すこと。誤作動や一時的な停止を起こすおそれがある。
電子商品監視装置〈EAS〉とは
店舗の出入口にある万引き防止ゲート。強い電磁界を出すため、立ち止まらず中央を速やかに通る。
- 1
新幹線への乗車不正解
新幹線の乗車は通常の利用でペースメーカーに影響を与えず、特別な注意は不要。
- 2
パーソナルコンピュータの使用不正解
パソコンの使用は電磁干渉の心配はほとんどなく、日常的に使用してよい。
- 3
電動アシスト付き自転車での移動不正解
電動アシスト付き自転車の移動も通常の使用では問題ない。
- 4
電子商品監視装置〈Electronic Article Surveillance:EAS〉の通過正解
EASゲートは強い電磁界を発生し誤作動の恐れがある。立ち止まらず速やかに通過する。
📚 国試でよく狙われるところ
ペースメーカー植込み後の指導は電磁干渉と創部・リード管理が要点。 「この機器は使えるか」を場面ごとに問われるので、避けるもの(強い電磁界のゲート)と日常どおり使えるものを分けて覚えよう。
- ペースメーカー手帳を常に携帯し、受診時や検査時に提示する
- 植込み側の上肢を大きく振り回す動作は、リード固定が安定するまで避ける
- めまい・動悸を感じたら機器から離れ、症状が続く場合は受診する
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 電子商品監視装置(EAS)・金属探知ゲート | 立ち止まらず中央を速やかに通過する |
| 携帯電話 | 植込み部位から15cm以上離して使用する |
| 電磁調理器(IH)・電気自動車の急速充電器 | 密着を避け、一定の距離をとる |
| MRI | 条件付きMRI対応機種以外は受けられない。必ず申告する |
| テレビ・パソコン・電子レンジ・電車 | 通常の使用では影響はない |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について