第110回 看護師国家試験 午後 問13 解説
📝 問題
体温低下を引き起こすのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 甲状腺ホルモンの分泌低下は体温低下を引き起こす。
甲状腺ホルモンは全身の基礎代謝を高め、熱産生を促進する。 甲状腺ホルモンの分泌が低下すると代謝が落ち、熱産生が減って体温が下がる。甲状腺機能低下症で寒がりや低体温がみられるのはこのためである。
カテコラミンの分泌亢進や副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌亢進はむしろ代謝を高め体温上昇に働く方向であり、副甲状腺ホルモン(PTH)はカルシウム・リン代謝の調節が主で体温調節への直接的関与は小さい。
カテコラミンとは
アドレナリンやノルアドレナリンなど、交感神経が働くときに出るホルモンをまとめた呼び名。心拍数や代謝を高める。
ACTH〈エーシーティーエイチ〉とは
脳の下垂体から出て、副腎皮質にホルモンを出すよう指令するホルモン。増えるとコルチゾールが増える。
- 1
カテコラミンの分泌亢進不正解
カテコラミンの分泌亢進は代謝を高め、体温は上昇方向に働く。
- 2
甲状腺ホルモンの分泌低下正解
甲状腺ホルモンの低下は基礎代謝と熱産生を減少させ体温を低下させる。
- 3
副甲状腺ホルモン〈PTH〉の分泌低下不正解
PTHはカルシウム・リン代謝の調節が主で、体温低下の直接的原因ではない。
- 4
副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉の分泌亢進不正解
ACTHの分泌亢進は副腎皮質ホルモンを介し、体温低下の原因にはならない。
📚 混同しやすいので注意
体温は視床下部の体温調節中枢がセットポイントを定め、熱産生と熱放散のバランスで保たれる。 甲状腺機能亢進症と低下症は症状を入れ替えて問われるので、熱をつくる働きが強いか弱いかで対にして覚えよう。
- 熱産生を高めるもの=甲状腺ホルモン・カテコラミン・ふるえ(骨格筋)・食事誘発性熱産生。
- 熱放散の経路=輻射・伝導・対流・蒸発(不感蒸泄と発汗)。
- 甲状腺機能低下症=低体温・徐脈・寒がり・体重増加・便秘・浮腫(粘液水腫)・活動性低下。
- 甲状腺機能亢進症(Basedow〈バセドウ〉病)=微熱・頻脈・体重減少・発汗過多・手指振戦・眼球突出。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について