第110回 看護師国家試験 午前 問108 解説
📝 問題
A さん(30歳、初妊婦)は、夫(32歳、会社員)と2人暮らし。A さんは、妊娠34週4日の妊婦健康診査を受けた。A さんの母は祖母の介護をしており、産後の支援を期待できない。妊婦健康診査後、「産後は夫と2人で子育てをしていきます。子育てのために何か利用できる制度はありますか」と相談があった。 産後、A さんの夫が適用となる制度はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 父親も取得できる育児休業が、産後にAさんの夫が適用となる制度である。
育児・介護休業法に基づく育児休業は、原則として子が1歳(要件により最長2歳)に達するまで、父母いずれの労働者も取得できる。 会社員である夫が産後に適用となる制度は育児休業である。
他の選択肢は主に母体保護を目的とし、対象は女性労働者である。育児時間は生後満1年未満の生児を育てる女性が1日2回各30分を請求できる(労働基準法)。 休日労働の制限も勤務時間の変更も妊産婦を対象とする規定で、夫は請求できない。
育児時間とは
授乳などのためにとれる時間で、通常の休憩時間とは別に請求できる。始業を遅らせる、終業を早めるという形でまとめて使うこともできる。
- 1
育児休業正解
育児休業は父母いずれの労働者も取得でき、会社員の夫に適用される。
- 2
育児時間不正解
育児時間は生児を育てる女性労働者が対象で、夫には適用されない。
- 3
休日労働の制限不正解
妊産婦の休日労働の制限は女性(妊産婦)が対象で夫には適用されない。
- 4
勤務時間の変更不正解
勤務時間の変更等は主に妊産婦(女性)を対象とし、夫には適用されない。
📚 国試でよく狙われるところ
母性保護と育児支援の制度は、対象が女性だけか父母どちらもかを入れ替えて問われる。制度名と根拠法と対象の3つを対にして覚えよう。 産前産後休業と育児時間は女性のみが対象、育児休業と子の看護等休暇は父母いずれも取得できる。
| 制度 | 根拠法 | 内容 |
|---|---|---|
| 産前産後休業 | 労働基準法 | 産前6週間(多胎14週間)は請求により就業させない。産後8週間は原則就業禁止(6週間経過後は本人の請求と医師の許可で就業可) |
| 育児時間 | 労働基準法 | 生後満1年に達しない生児を育てる女性が1日2回各30分を請求できる |
| 妊婦健診の時間の確保 | 男女雇用機会均等法 | 保健指導・健康診査を受けるための時間の確保を事業主に請求できる |
| 育児休業 | 育児・介護休業法 | 原則として子が1歳になるまで。父母ともに取得でき、要件により最長2歳まで延長できる。父親は子の出生後8週以内に4週まで取れる出生時育児休業(産後パパ育休)も使える |
| 子の看護等休暇 | 育児・介護休業法 | 小学校3年生修了までの子について年5日(2人以上は年10日) |
| 育児休業給付 | 雇用保険法 | 育児休業期間中の所得を保障する給付 |
参考: 育児・介護休業法
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について