第110回 看護師国家試験 午前 問106 解説

状況設定母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

A さん(30歳、初妊婦)は、夫(32歳、会社員)と2人暮らし。身長は160 cm、非妊時体重60 kgである。妊娠8週の妊婦健康診査を受診し順調な経過と診断された。嘔吐はないが、時々嘔気があると訴え、対処法について質問があった。 A さんへの説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ つわりの対処として空腹を避けるよう説明する。

妊娠8週はつわりの時期であり、空腹時に嘔気が強まりやすい。血糖低下や胃の空虚感が嘔気を誘発するため、少量頻回の食事にして空腹を避けることが有効であり、「空腹を避けましょう」が適切である。

他の選択肢は、この時期の負担をむしろ増やす。塩味を濃くすれば妊娠高血圧症候群の予防からも遠ざかる。 「規則正しく3食」にこだわらず、食べられる時に少量ずつでよい。 市販の調理済み食品を一律に控える根拠はなく、においが引き金なら調理を避ける工夫として役立つ。

妊娠高血圧症候群とは

妊娠中に高血圧を認めるもの。多くは妊娠20週以降に現れる。進むと胎盤の血流が落ち、胎児の発育にも影響する。

  • 1

    「空腹を避けましょう」正解

    空腹時に嘔気が強まりやすく、少量頻回で空腹を避けるのが有効。

  • 2

    「塩味を濃くしましょう」不正解

    塩味を濃くすることは妊娠高血圧症候群予防の観点からも望ましくない。

  • 3

    「規則正しく3食摂りましょう」不正解

    つわり時は3食にこだわらず、食べられる時に少量ずつ摂るほうがよい。

  • 4

    「市販の調理済みの食品は控えましょう」不正解

    市販の調理済み食品を一律に控える根拠はなく、負担軽減に活用できる。

📚 ここも一緒におさえておこう

つわりは、生理的な範囲でおさまるか受診が必要かの見分けで問われる。時期・食事の工夫・受診の目安をひとつづきで覚えよう。 つわりは妊娠5〜6週ごろに始まり12〜16週ごろに自然軽快することが多い生理的な症状で、重症化して体重減少・脱水・電解質異常をきたしたものを妊娠悪阻という。

  • 食事の工夫=空腹を避けて少量頻回、冷たくさっぱりした物、においの少ない物、起床前に軽く口にする
  • 受診が必要な目安=水分もとれず1日中嘔吐する。体重が妊娠前より5%以上減少。尿量減少、尿ケトン体陽性
  • 妊娠悪阻が重症化するとWernicke(ウェルニッケ)脳症(ビタミンB1欠乏)を起こしうるため、輸液にはビタミンB1を加える
  • つわりの時期は栄養バランスにこだわらず水分の確保を優先する。においが誘因なら調理を避ける工夫も有効

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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