第109回 看護師国家試験 午後 問8 解説
📝 問題
老年期にみられる身体的な変化はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 老年期には動脈硬化により血管抵抗が増大する。
加齢に伴い血管壁の弾力性が低下し動脈硬化が進行するため、末梢血管抵抗が増大する。 これにより収縮期血圧が上昇しやすくなる。
老年期の身体変化は、総じて機能の低下・予備能の減少で特徴づけられる。 消化管の運動は低下し、水晶体は弾性を失って硬くなり老視をきたす。 メラトニンの分泌は減り、睡眠が浅くなる。
他の3つはいずれも「亢進・増大・増加」としている点で誤りである。 国試では、老化で増えるものと減るものの区別が頻出である。
メラトニンとは
脳の松果体から夜間に分泌されるホルモン。体内時計を整えて眠りを促すはたらきがある。
- 1
血管抵抗の増大正解
動脈硬化により末梢血管抵抗が増大するのは老年期の特徴的変化である。
- 2
消化管の運動の亢進不正解
老年期は消化管の運動が低下し便秘をきたしやすい。
- 3
水晶体の弾性の増大不正解
水晶体は弾性が低下(減少)して老視となる。増大は誤り。
- 4
メラトニン分泌量の増加不正解
メラトニン分泌は減少し、睡眠が浅く分断されやすくなる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
老化の変化は「何が増えて何が減るか」の方向で覚えると解きやすい。 予備能の低下が共通の本質である。
| 増加・亢進するもの | 減少・低下するもの |
|---|---|
| 収縮期血圧・脈圧、末梢血管抵抗 | 拡張期血圧、心拍出量、最大心拍数 |
| 残気量、胸郭の硬さ | 肺活量、線毛運動、咳嗽反射 |
| 体脂肪率、重心の動揺 | 体内水分量、筋量、骨密度 |
| 感覚の閾値(感じにくくなる) | 水晶体の弾性、唾液分泌、消化管運動 |
| 前立腺の重量(肥大) | 糸球体数、腎血流量、メラトニン分泌 |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について