第109回 看護師国家試験 午前 問113 解説

状況設定精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

自閉症スペクトラム障害の A さん(26歳、男性)は休養目的で任意入院した。入院中の A さんは、面会や検査等の予定が急に変更になると混乱し、看護師に対して予定を繰り返し確認することがあった。 このときの A さんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 予定変更で混乱するASDの人には、文字や図を用いて説明する。

自閉症スペクトラム障害(ASD〈エーエスディー〉)のある人は、予定の変更への切り替えが苦手で、口頭だけの説明では情報を処理しきれずに混乱しやすい。 一方で視覚的な情報は理解しやすいという特性がある。 文字や図、スケジュール表など、目に見える形で変更を示すと、内容がつかめて不安が軽くなる。

他の3つは、この特性と合わない。確認を繰り返す理由を尋ねても、本人は理由をことばにしにくい。 複数の情報を同時に伝えるより、一つずつ具体的に伝えるほうが伝わる。 「状況を考えて行動する」よう求めるのは、その場の空気を読むことが苦手な特性に合わない。

  • 1

    文字や図を用いて説明する。正解

    視覚的情報が理解しやすいASDの特性に合い、文字や図での説明が混乱と不安を軽減する。

  • 2

    確認を繰り返す理由を尋ねる。不正解

    確認を繰り返す理由を尋ねるのは答えにくく、かえって不安を強めることがある。

  • 3

    複数の情報を同時に提供する。不正解

    複数の情報の同時提供は処理負担が大きく、混乱を助長する。

  • 4

    状況を考えて行動するよう説明する。不正解

    状況判断を求めるのは、暗黙の理解が苦手なASDの特性に合わず本人を追い詰める。

📚 ここも一緒におさえておこう

ASDのある人への支援の基本は構造化。 「いつ・どこで・何を・どのくらい・終わったら何をするか」を目に見える形で示すと、見通しが立ち不安が減る。

  • スケジュール表・写真カード・手順書といった視覚支援は、口頭のみの説明より理解されやすい。
  • 指示は短く・具体的に・肯定形で(「走らない」より「歩きます」)伝える。
  • 予定変更が避けられないときは、できるだけ早く、視覚的に伝え、変更後にどうなるかまで示す。
  • 繰り返しの確認は否定せず、同じ答えを同じ言い方で返し、書いたものを手元に残すと落ち着きやすい。
  • 感覚過敏があるときは刺激の少ない静かな場所をあらかじめ確保しておく。
場面ごとの関わりの工夫
場面工夫
予定の説明紙に書いた時間割・スケジュール表を渡す
急な変更変更点を書き込んで見せ、その後の流れまで示す
繰り返しの確認同じ言い方で答え、書いたものを本人の手元に残す
混乱したとき刺激の少ない場所へ移り、落ち着くまで待つ

出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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