第109回 看護師国家試験 午前 問108 解説
📝 問題
妊娠37週0日の初妊婦 A さん(28歳)は「初めての育児なので不安です。実家の母が手伝いに来てくれる予定ですが、夫は忙しくていつも22時ころにならないと帰ってきません」と言う。 A さんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 育児不安には「不安に思っている内容を一緒に確認しましょう」と応じる。
初めての育児に漠然とした不安を訴える妊婦には、まず本人が何を不安に感じているのかを具体的に聴くことが支援の出発点になる。 「不安に思っている内容を一緒に確認しましょう」と応じることで、妊婦の思いを傾聴・受容し、その人に合った支援へつなげられる。
他の3つは、いま目の前で語られた不安を受け止めないまま先へ進んでしまう。 新生児訪問指導に委ねるのは不安の先送りであり、夫の帰宅時刻は変えにくく、手伝う人を探す話はサポート体制へ話題をずらしてしまう。
まず不安の内容を一緒に整理し、共感的に関わることが対応の基本である。
- 1
「新生児訪問指導の時に相談してください」不正解
今表出された不安を先送りするもので、傾聴・受容の姿勢に欠ける。
- 2
「夫に早く帰ってきてもらうよう相談してください」不正解
夫の勤務状況という変えにくい要因に焦点を当て、本人の不安への直接支援になっていない。
- 3
「実母以外にも手伝ってくれる人をみつけましょう」不正解
サポート体制の話に限定し、妊婦が抱える不安そのものを受け止めていない。
- 4
「育児について不安に思っている内容を一緒に確認しましょう」正解
不安の内容を一緒に確認することで思いを傾聴・受容し、個別の支援につなげられる。
📚 ここも一緒におさえておこう
不安を訴える人への対応は、助言や提案より前に「何に不安を感じているのか」を聴くのが先。 漠然とした不安は具体化されると対処の道筋が見え、それだけで軽くなることも多い。
- 産後の心の変化は、マタニティブルーズ(産後3〜10日ごろに一過性に現れ、2週間程度で軽快)と産後うつ病(産後数週〜数か月に発症し、2週間以上持続して治療を要する)を区別する。
- 産後うつのスクリーニングにはEPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)が用いられる。
- 育児を支える制度に産後ケア事業・新生児訪問指導・乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)・こども家庭センターがある。新生児訪問指導は母子保健法に基づく。
- 父親の育児参加や産後パパ育休(出生時育児休業)など、家族全体を支える資源も情報提供する。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について