第108回 看護師国家試験 午後 問83 解説
📝 問題
糖尿病性腎症の食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・3
💡 解説
✅ 糖尿病性腎症の食事療法で制限するのは塩分と蛋白質である。
糖尿病性腎症の食事療法で制限するのは、蛋白質と食塩の2つである。 蛋白質の制限は糸球体にかかる負担を軽くし、食塩の制限は血圧を下げて体液のたまり(浮腫)を抑える。
他の選択肢は制限しない。脂質と炭水化物は、蛋白質を減らした分のエネルギーを補う供給源で、一律に減らすと体の蛋白が分解されてしまう。ビタミンも制限の対象ではない。 病期が進むとカリウムの制限が加わる。
- 1
脂質不正解
脂質は糖尿病性腎症で特に制限する項目ではなく、必要なエネルギー源として適切に確保する。
- 2
塩分正解
塩分は血圧管理と浮腫・体液貯留の抑制のため制限する。
- 3
蛋白質正解
蛋白質は腎糸球体への負荷を軽減し腎機能を保護するため、病期に応じて制限する。
- 4
炭水化物不正解
炭水化物はエネルギー源として重要で、蛋白制限を補う意味からも一律に制限する対象ではない。
- 5
ビタミン不正解
ビタミンは糖尿病性腎症で制限する項目ではなく、不足しないようにとる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
糖尿病性腎症の食事療法は、病期が進むほど制限が増える。何を制限するかは、腎臓にとって何が負担になるかで決まると考えよう。
- 蛋白質を制限する分、炭水化物・脂質でエネルギーを確保しないと体蛋白の異化が進む
- 高血圧を合併する慢性腎臓病では、食塩は6 g/日未満が目標
| 病期 | 食事療法の要点 |
|---|---|
| 第1期(正常アルブミン尿期) | 糖尿病食が基本。血糖・血圧管理を徹底する |
| 第2期(微量アルブミン尿期) | 同上。蛋白質の過剰摂取を避ける |
| 第3期(顕性アルブミン尿期) | 蛋白質制限、食塩制限(高血圧・浮腫があれば強化) |
| 第4期(GFR高度低下・末期腎不全期) | 蛋白質制限を強化、食塩制限、カリウム制限 |
| 第5期(腎代替療法期) | 透析療法に応じた食事。水分・カリウム・リンの管理 |
参考: 日本腎臓学会「糖尿病性腎症の食事療法基準」/医学書院「系統看護学講座 成人看護学(内分泌・代謝)」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について