第108回 看護師国家試験 午後 問64 解説
📝 問題
Aさん(60歳、女性)は、統合失調症で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。 退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 生活費や住居など生活面の相談・調整を担う精神保健福祉士がチームに加わるのが最も適切である。
Aさんの訴えは「生活費」「住む場所」という経済的・社会資源に関する不安であり、これらの相談援助や社会保障制度との橋渡しを専門とするのが精神保健福祉士(PSW)である。 生活保護や障害年金の活用、退院後の住まい(グループホーム等)の調整など、退院支援計画の中核となる役割を担う。
国試では、患者の訴えの内容と各専門職の役割を対応づける力が問われる。 薬剤師は服薬管理、臨床心理技術者は心理検査・心理療法、ピアサポーターは体験に基づく支え合いが主な役割であり、いずれもAさんの「生活費・住まい」の不安に直接応える専門職ではない。 訴えのキーワードから最適な職種を選ぶ視点が重要である。
- 1
薬剤師不正解
薬剤師は服薬指導や薬剤管理が役割で、生活費や住居の相談・調整には直接対応しない。
- 2
精神保健福祉士正解
精神保健福祉士は生活費や住まいなど社会資源・社会保障制度の相談援助を専門とし、Aさんの訴えに最も適する。
- 3
ピアサポーター不正解
ピアサポーターは当事者経験に基づく支援を担うが、生活費や住居の制度調整を専門とする職種ではない。
- 4
臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師等)不正解
臨床心理技術者は心理検査や心理療法が主な役割で、生活面の制度的調整を担う職種ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
退院支援は、患者の訴えと、それに応える職種・社会資源を組み合わせて問われる。「お金と住まいの相談=精神保健福祉士」と結びつけて覚えよう。
- 医療保護入院では退院後生活環境相談員が選任され、地域移行の調整を担う
- 住まいの資源には共同生活援助(グループホーム)や宿泊型自立訓練がある
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 精神保健福祉士 | 社会資源・社会保障制度の相談援助、退院支援、関係機関との調整 |
| 公認心理師・臨床心理士 | 心理検査、心理療法、カウンセリング |
| 作業療法士 | 作業活動を通した生活機能・社会機能の回復 |
| 薬剤師 | 服薬指導、副作用のモニタリング、薬剤管理 |
| ピアサポーター | 当事者としての体験を活かした支え合い・希望の提供 |
参考: 医学書院「系統看護学講座 精神看護学」/精神保健福祉士法
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について