第108回 看護師国家試験 午後 問63 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 人口当たりの精神病床数は、日本がOECD加盟国の中で最も多い。

日本は諸外国と比べて精神病床数が突出して多く、人口当たりの病床数は経済協力開発機構〈OECD〉の加盟国中で最多である。 歴史的に入院医療中心の政策が続いたことが背景にあり、近年は「入院医療中心から地域生活中心へ」を理念に、長期入院者の地域移行が国の重要課題となっている。

国試では日本の精神医療の特徴として「病床数が多い・平均在院日数が長い」がくり返し問われる。 他の選択肢は制度の混同を突くものである。 精神保健福祉センターは市町村ではなく都道府県・指定都市に設置される。 通院医療費の公費負担は自立支援医療(精神通院医療)の制度であり、手帳制度による給付ではない。

自立支援医療とは

障害のある人の医療費の自己負担を軽くする公費負担医療の制度。精神疾患で通院を続ける場合の分は精神通院医療とよばれる。

  • 1

    精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。不正解

    精神保健福祉センターは各市町村ではなく、都道府県および指定都市に設置される。

  • 2

    精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。不正解

    精神病床入院患者の疾患別内訳では統合失調症が最も多く、認知症が最多ではない。

  • 3

    精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。不正解

    通院医療費の公費負担は自立支援医療(精神通院医療)による給付であり、精神障害者保健福祉手帳制度そのものによる給付ではない。

  • 4

    人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国の中では最も多い。正解

    日本の人口当たり精神病床数はOECD加盟国中で最も多く、地域移行の推進が課題となっている。

📚 混同しやすいので注意

精神科の入院形態は、要件を入れ替えて問われる。本人の同意の有無と精神保健指定医の人数で整理して覚えよう。

精神保健福祉法における入院形態
形態本人の同意要件
任意入院あり本人の同意に基づく。原則として開放処遇
医療保護入院なし精神保健指定医1名の診察+家族等の同意
措置入院なし自傷他害のおそれ。指定医2名の診断が一致し都道府県知事が決定
緊急措置入院なし急速を要する場合。指定医1名で72時間以内
応急入院なし家族等の同意が得られない場合。指定医1名で72時間以内

参考: OECD Health Statistics/厚生労働省「精神保健医療福祉の現状」

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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