第108回 看護師国家試験 午後 問45 解説
📝 問題
糖質コルチコイドの分泌が長期に過剰となった状態の身体所見で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 糖質コルチコイドの分泌が長期に過剰となった状態の所見は「満月様顔貌」である。
糖質コルチコイド(コルチゾール)が長い間出すぎると、体つきや皮膚に特徴的な変化が現れる。下垂体腺腫や副腎腫瘍によるCushing(クッシング)症候群と、ステロイドの長期投与によるものがある。 代表的な所見が満月様顔貌(ムーンフェイス)で、中心性肥満・水牛様脂肪沈着(バッファローハンプ)・皮膚線条・易感染性・高血糖・骨粗鬆症・高血圧を伴う。
他の選択肢は主に甲状腺機能亢進症であるBasedow(バセドウ)病の所見で、糖質コルチコイド過剰とは異なる。 眼球突出・甲状腺腫大・頻脈は、Basedow病のメルゼブルグ三徴とよばれる。
「Cushing症候群=満月様顔貌・中心性肥満」 「Basedow病=眼球突出・甲状腺腫大・頻脈」 と対にして覚える。
糖質コルチコイドとは
副腎皮質から出るホルモンの一つで、コルチゾールが代表。血糖を上げ、炎症や免疫の働きを抑える。
- 1
眼球突出不正解
眼球突出はBasedow病(甲状腺機能亢進症)の所見で、糖質コルチコイド過剰の所見ではない。
- 2
甲状腺腫大不正解
甲状腺腫大はBasedow病などの甲状腺疾患の所見であり、本病態とは異なる。
- 3
頻脈不正解
頻脈は甲状腺機能亢進症の所見で、糖質コルチコイド過剰に特徴的な所見ではない。
- 4
満月様顔貌正解
満月様顔貌はCushing症候群(糖質コルチコイド過剰)の代表的な身体所見である。
📚 ここも一緒におさえておこう
副腎皮質ステロイド薬を長く使う患者にも、同じ所見と副作用が現れる。薬の副作用としてまとめて問われる。
- 易感染性(感染の徴候が出にくく気づきにくい)、高血糖(ステロイド糖尿病)、骨粗鬆症、消化性潰瘍
- 満月様顔貌・中心性肥満・皮膚線条・ざ瘡。皮膚が薄くなり、内出血しやすくなる
- 不眠・多幸感・抑うつなどの精神症状。眼では白内障・緑内障が起こる
- 鉱質作用により高血圧・低カリウム血症・浮腫が起こる
- 自己判断での中断は副腎不全を招くため厳禁。減量は医師の指示に従って少しずつ行う
参考: 系統看護学講座 成人看護学 内分泌・代謝
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について