第108回 看護師国家試験 午後 問114 解説
📝 問題
Aさん(40歳、男性、会社員)は、双極性障害と診断され、炭酸リチウムの内服治療を受けた。 入院後3か月、Aさんは退院予定となり、元の職場に戻るための準備をすることになった。Aさんは「すぐに仕事に戻るのではなく、規則正しく生活することなどから、段階的に取り組むほうがいいのではないか」と訴えていた。 Aさんの職場復帰を含めた退院後の生活を支援するために適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 段階的な社会復帰を望むAさんには、生活リズムを整え復職準備を支える精神科デイケアが適切である。
Aさんは「すぐ仕事に戻るのではなく、規則正しい生活から段階的に取り組みたい」と希望している。 精神科デイケアは、日中に通所して規則正しい生活リズムを整え、対人交流やプログラム活動を通じて社会生活能力を回復し、段階的な復職・社会復帰を支援する場である。 Aさんの希望にそのまま合う支援である。
他の選択肢は段階が合わない。 自立訓練は日常生活の力を高める訓練で、生活リズムを整えて職場に戻るという道筋とは目的が違う。 就労移行支援は働くこと自体を目指す段階で、まだ早い。 就労継続支援は一般就労が難しい人に働く場を用意する福祉的就労で、元の職場への復帰とは方向が違う。
- 1
自立訓練不正解
自立訓練は日常生活・社会生活能力の向上を図る訓練で、生活リズムづくりと復職準備を主眼とする本例のニーズとはややずれる。
- 2
就労移行支援不正解
就労移行支援は就労を直接目指す支援で、まず段階的に生活リズムを整えたい現段階では時期が早い。
- 3
就労継続支援不正解
就労継続支援は一般就労が困難な人への福祉的就労であり、元の職場への復帰を目指す本例には適さない。
- 4
精神科デイケア正解
精神科デイケアは通所で生活リズムを整え社会生活能力を回復させ、段階的な復職準備を支えるため適切である。
📚 混同しやすいので注意
社会復帰の資源は目的とサービスの性格で整理する。 「まだ働く段階か」「生活を整える段階か」で選択が変わる。
- 元の職場への復帰を目指す場合はリワーク(職場復帰支援)プログラムや産業医との連携も重要
- 訓練等給付の利用には障害支援区分にかかわらず市町村への申請が必要
| 資源 | 目的・対象 |
|---|---|
| 精神科デイケア | 通所により生活リズムを整え、対人交流と社会生活能力を回復する |
| 自立訓練(生活訓練) | 日常生活能力の維持・向上のための訓練 |
| 就労移行支援 | 一般就労を目指す人への知識・能力向上の訓練と職場定着支援 |
| 就労継続支援A型 | 雇用契約を結び働く場を提供 |
| 就労継続支援B型 | 雇用契約によらない就労の機会を提供 |
| 共同生活援助(グループホーム) | 地域で共同生活を営む住まいの場 |
参考: 日本精神科看護協会「精神科リハビリテーションと地域生活支援」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について